中古車情報サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーションの元事業部長らが、架空の取引を装った詐欺の疑いで逮捕されました。会社から約3100万円をだまし取った疑いが持たれており、広範な架空取引による不正も明らかになっています。
中古車情報サイト「グーネット」運営プロトコーポレーションの詐欺事件に関するニュースイメージ
逮捕された容疑者と手口
逮捕されたのは、プロトコーポレーションの元事業部長・伊藤隆弘容疑者(50)と、取引先の広告関連会社社長・嶋田正幸容疑者(51)です。
警察によると、2人は共謀し、2023年中に印刷物などの発注名目で架空の請求書を複数回にわたって発行。これによりプロトコーポレーションから現金約3100万円を不正にだまし取った疑いが持たれています。
特別調査委員会の報告と不正の全容
プロトコーポレーションが設置した特別調査委員会の調査報告書によると、伊藤元事業部長はだまし取った金の一部を自身の銀行口座に入金させるなどしていたとみられています。
また、同報告書では、今回の詐欺容疑に関連する架空の取引による会社の売上計上が、2017年12月期から2024年3月期までの累積で19億5900万円に上ると指摘しています。これは、逮捕容疑の約3100万円とは別に、長期間にわたり架空取引が行われていた可能性を示すものです。会社は特別調査委員会の調査結果を踏まえ、再発防止策を検討・実施するとしています。
プロトコーポレーション元事業部長らの逮捕に関連する車両と特別調査委員会の報告書などの画像
今回の逮捕を機に、一連の不正行為の全容解明が進められる見通しです。企業内部の人間と取引先が連携した手口であり、組織的な関与や被害の拡大についても捜査が行われるものとみられます。
まとめ
中古車情報大手プロトコーポレーションの元事業部長らが、広告関連会社の社長と共に架空取引による詐欺容疑で逮捕されました。逮捕容疑は約3100万円ですが、会社の特別調査委員会は19億円を超える架空売上の存在を報告しており、不正の規模は広範にわたる可能性があります。今後、捜査の進展とともに事件の詳細が明らかになることが注目されます。
[参考資料]