山里亮太氏、小泉農水相にコンバインリース案の実用性を問う「全農家同時期では?」

6月18日放送の情報番組「DayDay.」(日本テレビ系)にMCとして出演したお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太氏が、ゲストの小泉進次郎農林水産相に対して投げかけた質問が、インターネット上で話題を呼んでいる。日本の農業が抱える課題、特に高額な農業機械であるコンバインのリース導入に関する小泉農水相の提案に対し、山里氏が具体的な実用性を問いただした形だ。

農家を悩ませる高額なコンバイン費用と小泉農水相のリース提案

小泉農水相は番組内で、日本の米問題に触れ、特に農家にとって大きな負担となっているコンバインの購入について説明した。氏は「コンバインは2000万円する。これを年間どれくらい使うかというと、たった1カ月なんです」と指摘。続けて、「機械を更新するコストを負担できないため、農業機械を更新する時がやめどきだと考える高齢農家が多い。この状況を変える必要がある」と現状の課題を訴えた。

対策として、建設業界で重機がリースやレンタルされている例を挙げた。小泉農水相は、「この仕組みを農業の世界にもっと導入すべきだ。そうしなければ、農家の手取りは上がらないし、そもそもわずか1カ月しか使わないものを買わずに済むよう、JAさんが代わりにサービスを提供することも役割ではないか」と自身の考えを示し、農業機械リースの重要性を強調した。

山里氏が指摘した「同時期利用」の壁

この農業機械リース論に対し、山里氏は即座に現場からの現実的な疑問を投げかけた。氏は「コンバインを使う時期は、稲刈りなど全農家さんがほぼ同時ではないですか?「よーいどん」で一斉に必要となる場合、その需要に対してリースで対応できるのですか?」と、レンタル可能な台数が限られる中での需要集中に対する懸念を示し、鋭い質問をぶつけた。

『DayDay.』で小泉農水相に質問する山里亮太さん『DayDay.』で小泉農水相に質問する山里亮太さん

小泉農水相はこれに対し、「同じ地域の中だけを見ると、確かにそのような状況はあるかもしれません。しかし、全国的に見れば、田植えの時期も収穫の時期も異なります。超早場米や早場米など、様々なケースがありますから」と説明。そして、「最初から『できない』と考えるのではなく、少しでも農家の方々の負担を軽減するために何ができるかを、JAの方々とも一緒になって考えていきたい」と述べ、全国的な視点での対応の可能性を示唆した。

ネットユーザーの反応は?

2人のやり取りは、視聴者やネットユーザーの間で大きな反響を呼んだ。インターネット上では、《農業は本当に「よーいどん」で同じ作業するから、リースは無理だろうと思っていたら、山ちゃんがちゃんと現場の声を代弁して突っ込んでくれた》《毎年、西から東へコンバインを大移動させるのか?現実的ではないのでは》《今日刈り取りたい、という肝心な日に、リースで間に合うのだろうか》など、山里氏の指摘に共感し、小泉氏のリース提案の実効性に対して疑問を呈する意見が多く見受けられた。

今回の「DayDay.」での小泉農水相と山里亮太氏の議論は、日本の農業が直面する課題、特に高額な農業機械のコスト負担問題に対し、新たな解決策としてのリース導入案と、それに対する現場からの現実的な疑問を浮き彫りにした。全国的な視点と地域ごとの実情、双方を踏まえた上で、農家支援策の議論が進められることの重要性が改めて認識される一幕となった。