【香港=遠藤信葉】香港紙・星島日報は19日、巨額の資金を着服し、日本に逃亡したとされる中国・北京市の第3中級人民法院(地裁)の職員が、疑惑を否定し、上層部の指示で不適切な資金移動に関与させられたと主張していると報じた。
報道によると、この職員は17日、自身のものとされるX(旧ツイッター)で、「3億元(約60億円)を持って逃亡したという話は事実ではない」と主張した。ある汚職・贈収賄事件の賠償金約7000万元(約14億円)について、国庫に納められるはずだったが、上司の指示で別の詐欺事件の関係資金に偽装され、その資金移動に関与させられたと説明。上司に疑問を呈したが、「圧力により指示通り作業するしかなかった」と投稿した。
星島日報によると、職員は、賠償金の徴収などを行う部門に勤務していた。裁判所の口座から約1億3000万元~約3億元(約26億円~約60億円)を自身の口座に送金して着服し、5月1日から始まる連休前に日本に逃亡したと報じられた。