上戸彩さん、佐々木希さん、真矢みきさん――歯磨き粉のCMに出演している女優さんからは、「白い歯」「爽やかな息」を連想しますね。しかし、CMのイメージに惑わされてはいけません。口臭やホワイトニング、むし歯や歯周病予防に、本当に効果的でコスパのいい歯ブラシや歯磨き粉について、歯科医師の専門家が解説します。歯磨きは回数だけでなく、適切な歯ブラシを選ぶことが非常に重要です。不適切な歯ブラシを使っていると、事実上、歯に汚れが付いたままの状態が続いてしまいます。自分に合った歯ブラシを選ぶためにも、まずは自分の口臭を知ることから始めましょう。
口臭、実は自分で簡単にチェックできる?その方法とは
口臭には大きく分けて二つの種類があります。一つは誰にでも起こりうる「生理的口臭」、もう一つは主に歯周病などが原因で発生する「病的口臭」です。これらの口臭を自分で簡単に判断する方法をご紹介します。大きさ10cm×20cm程度のビニール袋(例えばスーパーのレジ袋など)を用意してください。その袋に、ゆっくりと息を吐き込み、袋がパンパンになるまで空気をためます。息の温かさを手のひらで感じられるくらい、ゆっくりとため込むのがポイントです。袋の口を閉じ、中の匂いを嗅いでみてください。
生理的口臭と病的口臭を見分ける!それぞれのニオイの特徴
袋の中の匂いが「ゆで卵」に近いと感じたら、それは生理的口臭です。生理的口臭の強さには個人差があり、全く匂いを感じない人もいます。匂いがほとんどしない、あるいはゆで卵のような匂いがする場合は、生理的口臭と判断して問題ありません。もし、匂いが「腐った生ゴミ」のように感じられたら、それは病的口臭の可能性が高いです。病的口臭は、歯周病が進行するほどその匂いは強烈になります。ただし、歯周病による口臭は、本人が自覚しにくいケースも少なくありません。より正確に自分の口臭を知るためには、信頼できる家族や友人に嗅いでもらうのが最も確実な方法と言えるでしょう。
【生理的口臭向け】歯科医が推奨するコスパ最強歯ブラシ
生理的口臭の方には、むし歯予防に効果的で、歯の表面の清掃効率が高い歯ブラシがおすすめです。特に、歯ブラシの毛先が丸く加工されており、長さが揃っているタイプの歯ブラシ、通称「ラウンド型」が良いでしょう。歯ブラシの毛の硬さは、「硬め」を選ぶと歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまうリスクがあります。「普通」の硬さが一般的に推奨されます。清掃効率と歯ぐきへの優しさのバランスが重要です。
歯ブラシの選び方を考える際のイメージ画像
歯科医の愛用品も公開!具体的なおすすめ歯ブラシ
筆者である歯科医師の個人的な愛用品としては、「ルシェロB-10M(GC)」が挙げられます。この歯ブラシは、先端部分の毛に角度がついており、奥歯の裏側や歯と歯の間の狭い隙間など、通常磨きにくい場所にも毛先が届きやすいように設計されています。また、長い毛と短い毛が組み合わされている点も特徴で、これにより歯面に付着した汚れをしっかりと効率良く掻き出すことが可能です。日々のブラッシングにおいて、細部まで丁寧に磨きたい方に向いています。
時間がない朝や奥歯に最適!用途別おすすめ歯ブラシ
朝など、歯磨きにかけられる時間が限られている方には、通常よりもヘッド部分の幅が広い「ワイドタイプ」の歯ブラシが適しています。一度に広い範囲をカバーできるため、歯の表面から歯ぐきとの境目までを効率的に磨くことができます。一方、口が小さめの方や、奥歯に歯ブラシを届かせるのが難しいと感じる方には、薄型ヘッドでネック部分がスリムなタイプの歯ブラシがおすすめです。これらの形状は、口の奥の方まで無理なく挿入でき、奥歯やその周辺をしっかりと磨くのに役立ちます。自分の口腔内の状態や、ライフスタイルに合わせて適切な歯ブラシを選ぶことが、効果的なオーラルケアへの第一歩です。
まとめ
歯の健康と口臭予防には、単に歯磨きの回数を増やすだけでなく、自分に合った適切な歯ブラシを選ぶことが極めて重要です。口臭は生理的なものと病的なものがあり、簡単なセルフチェックや、より正確な判断のための他者による確認、そして病的口臭が疑われる場合は歯科医院での専門的な診断が不可欠です。日々のブラッシングでは、歯の表面を効率良く清掃し、歯や歯ぐきを傷つけにくい「普通」の硬さのラウンド型歯ブラシを選ぶことを推奨します。特定の箇所(奥歯、狭い隙間)や時間帯(朝など)に合わせた機能的な歯ブラシ(ワイドヘッド、薄型ヘッド)も活用し、ご自身の口腔状態に最適なオーラルケアツールを選びましょう。