たった1つ意識するだけ!「病気知らずの高齢者」がやっている「正しい歩き方」とは?【医師が解説】


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● 日本地図を作った伊能忠敬は 55歳から全国を歩いた

 伊能忠敬という人をご存じでしょうか。江戸時代に天文学者や地理学者として活躍した人物です。

 彼の業績で一番知られているのは、日本中を歩いて国土の正確な姿を明らかにしたことでしょう。

 伊能は寛政12年(1800年)から17年かけて日本全国を測量しました。残念ながら73歳で死去し、地図の完成を見ることはできませんでした。

 しかし、弟子たちがその意思を受け継ぎ、その後『大日本沿海輿地全図』として完成しました。

 伊能が国土の測量を始めたのは、55歳のときでした。それから、日本全国のほとんどを歩いたことになります。

 実は、筆者がウォーキングを始めたのも55歳でした。

 もう1つ、喘息の持病があったことも筆者と伊能の共通点です。

 筆者は20歳代の頃から喘息の症状があり、だましだまし30年くらいつきあってきました。

 喘息の吸入薬も効かなくなり、せきが止まらない状態になっていました。

 意を決し、ウォーキングを始めたところ、1カ月もたたないうちに、せきが止まってしまいました。

● 歩けば要介護も防げる 始めるのに遅すぎることはない

 筆者の経験からも、何かを始めるのに遅すぎることはない、ということがわかるでしょう。

 とくに65歳以上で、何の運動もしていないという人は、早く始めたほうがよいと思います。

 なぜなら、高齢者と呼ばれる年齢になると、フレイルになるリスクが高まるからです。

 フレイルとは、加齢により心身の機能が衰えてくることで、健康な状態と介護が必要な状態の中間の段階です。

 しかし、フレイルになったとしても適切な対応をすれば、要介護にならずにすむのです。

 フレイルを診断する基準の1つに「歩行速度の低下」があります。

 フレイルになると足腰の筋力が低下して、歩くのが遅くなってきます。

 足腰の筋力の衰えを防ぐには、歩くしかありません。もちろん、ただ歩くだけでなく、中強度活動、すなわち速歩きも必要です。

 ではどのくらい歩けばよいのか。8000歩/速歩き(中強度活動)20分。これが、長生き歩きです。「思い立ったが吉日」という言葉があります。フレイルになりたくないのであれば、今日から長生き歩きを始めましょう。

● 紫外線を浴びて骨粗しょう症を予防 外に出て速歩きすることが肝心

 7000歩/中強度活動15分は、骨粗しょう症を予防します。下のグラフからも明らかなように、この歩数と中強度活動時間(82点)は、1日1万2000歩/中強度活動0分(70点)よりも点数が高くなります。



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