プラボウォ大統領、G7サミット欠席とロシア訪問を釈明「先に約束があった」

インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は20日、ロシア訪問のために先進7か国首脳会議(G7サミット)への出席を見送ったことについて、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で釈明しました。このプラボウォ大統領のロシア訪問とG7欠席の決断は、インドネシアがロシアに接近しているとの見方を呼んでいましたが、同大統領はこれを否定しました。

G7よりSPIEFを優先した理由

プラボウォ大統領はサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)での演説で、なぜG7サミットに出席しなかったのかとの質問に対し、「私はサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席した」と回答しました。彼はG7を軽視したわけではなく、このフォーラムに「先に出席すると約束していたからだ」と理由を説明しました。

中立外交路線の維持を強調

プラボウォ大統領はさらに、「それだけだ。この件についてあまり深読みしないでほしい。インドネシアはどの国とでも友好関係を築きたい」と述べ、インドネシアの外交が特定の国に偏るものではないことを強調しました。同フォーラムの全体会議では、大統領はプーチン大統領の隣の席に着席し、前日には両首脳が会談し、両国間の関係協力強化について話し合いました。

ロシア・サンクトペテルブルクでの会談後、署名式に臨むプーチン大統領(右)とプラボウォ大統領ロシア・サンクトペテルブルクでの会談後、署名式に臨むプーチン大統領(右)とプラボウォ大統領

伝統的非同盟と将来への懸念

インドネシアは長らく中立政策を維持し、中国と米国という大国の間で綱渡り外交を展開してきました。しかし、軍人出身のプラボウォ氏が欧米への依存から脱却し、外交の多角化を図る姿勢を見せる中で、伝統的な非同盟政策から逸脱する可能性が懸念されています。特に、ロシアとの関係強化の動きは、隣国のオーストラリアなどで懸念を招いています。

プラボウォ大統領の発言は、G7欠席の理由を明確にすると同時に、インドネシアが今後も中立的な立場を保ち、幅広い国々と関係を構築していくという外交方針を内外に示すものとなりました。しかし、大統領のロシア訪問とSPIEFへの積極的な参加は、今後のインドネシアの外交バランスに影響を与える可能性があり、引き続き注目が必要です。