【カイロ＝西田道成、ハーグ＝池田慶太】イスラエルとイランの停戦は、仲介したトランプ米大統領が「戦争の終結」の時期と定めた日本時間２５日午後１時を経過した。これまで大規模な交戦は伝えられておらず、停戦は維持されている模様だ。イスラエルとイランの両国首脳は２４日、ともに「歴史的な勝利」を宣言し、戦果を強調している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は２４日のビデオ演説で、イランへの軍事作戦で核爆弾とミサイルの脅威を排除したとして、「この勝利は後世に語り継がれる」と訴えた。次の狙いとして、パレスチナ自治区ガザでイスラム主義組織ハマスを打倒し、拘束されている人質の解放を目指す方針を示した。
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は２４日、国民向けの声明で、米国との核協議が続く中でイスラエルが先制攻撃したと非難し、「敵は重く歴史的な罰を受けた」と述べた。イスラエルは核施設破壊といった目的を達成できなかったと指摘し、「勝利」を宣言した。
両国の攻撃の応酬は２４日の停戦合意発効後も続いたものの、大規模な衝突には発展していない。イスラエル軍によると、軍は２４日夜、イランから飛来したとみられる無人機２機を撃墜した。イラン国営通信などによると、イランの複数の州で２４日夜、防空システムが作動したが、被害や交戦は伝えられていない。
一方、トランプ氏は２４日、大統領専用機内で記者団に対し、イスラエルとイランについて「彼らは疲弊している。二度と起きてほしくないと思っている」と語り、停戦継続への期待を示した。
イランに関しては「大きな混乱を望んでいない」とし、体制転換を求めない考えを明らかにした。２２日には体制転換に言及していたが、停戦合意を受け、態度を軟化させたとみられる。
