日本維新の会の音喜多駿元参院議員(41)は28日、7月3日公示、20日投開票の参院選東京選挙区に向けた決起集会を都内で開催しました。社会保障制度改革を自身の持論として掲げ、国政復帰への強い意欲を示しました。特に社会保険料の引き下げを訴え、「私は嫌われているかもしれないが、『アリの一穴』を目指す」と述べ、戦いへの並々ならぬ覚悟を表明しました。
参院選東京選挙区に向けた決起集会であいさつする日本維新の会・音喜多駿氏
国政復帰への強い意欲と社会保障改革への挑戦
音喜多氏は、昨年の衆院選東京1区に参院議員を辞して立候補したものの落選しています。その後は「社会保険料引き下げを実現する会」を立ち上げ、積極的に情報発信を続けてきました。そして今年5月、日本維新の会公認として参院選東京選挙区からの出馬が決まりました。
今回の選挙戦について、音喜多氏は「12年政治家をやる中で、5回選挙をやって3勝2敗。次が6回目の勝負になりますが、これまでで最も難しく、最も大義を背負った戦いになると思っている」と述べ、その厳しさを認識しつつも決意を示しました。集まった支援者を前に、「私は嫌われているし、維新も東京ではなかなか支持が拡大しているとは思わないが、それでも今日、みなさんに足を運んでいただいたのは、社会保険料の引き下げ、持続可能な社会保障制度をつくる1点への期待と思う」と語りました。
改革への強い覚悟と過去の経験
音喜多氏は、社会保険料引き下げをはじめとする社会保障改革を巡る議論について、「これまで、政治家は議論の努力から逃げてきたのではないか。落選するのが怖いから目をそむけ続けてきた。でも私は逃げたくない」と、既存政治の姿勢を批判しました。自身の落選経験にも触れ、「私も昨年、落選を経験したが、1回、2回、落選することが何ですか。伝わるまで言い続けましょうよ。3回、4回やっていけば、今の社会保障制度や年金制度、医療制度を作り替えていこうという思いが必ず届くと思っている。その勝負を、今回の参院選でやりたい」と述べ、たとえ落選しても諦めずに訴え続ける覚悟を強調しました。
「アリの一穴」戦略
今回の東京選挙区は7議席を争う激戦区です。当選に必要な得票率は全体の10%ほどと分析し、音喜多氏は「衆院選は1人しか受からないが、今回は(数字上では)9人に嫌われたとしても1人に好かれれば通ることができる」と、選挙区の特性に言及しました。そして自身の戦いを「まさにアリの一穴」と表現しました。続けて、「10人に1人が、音喜多も維新も嫌いだけど社会保険料だけは下げてくれ、と言ってくれれば、その一穴が必ず次につながる」と、政策への一点突破に懸ける戦略を説明しました。「アリのひとかみ、巨象を倒す、の戦いだ」と力強く訴えました。
柳ヶ瀬議員の激励と「おと・やな」コンビ
会合には、東京・海城高校の先輩であり、2012年に東京維新の会を立ち上げた柳ヶ瀬裕文参院議員も出席し、「おと・やな」コンビとして連携をアピールしました。柳ヶ瀬氏は2019年の参院選東京選挙区で初当選しましたが、今回は選挙区ではなく比例代表からの出馬となります。22日の東京都議選での維新の「惨敗。非常に衝撃を受けた」と振り返りつつ、音喜多氏について「社会保険料引き下げの議論の先頭に立ち、本当のことを言ってきたのが音喜多駿。チャレンジしていなければ、生きていけない男」と評しました。昨年の衆院選は残念な結果だったとしつつ、「必ず参院選で勝ち抜き、みなさんとの約束を実行する」と激励し、「おと・やな」コンビでのダブル当選に意欲を見せました。
結論
音喜多駿氏は参院選東京選挙区での国政復帰を目指し、社会保障制度改革、特に社会保険料引き下げを最重要政策として掲げています。過去の落選経験を乗り越え、たとえ厳しい状況でも政策実現のために訴え続ける覚悟を示しました。当選に必要な10%の支持獲得を「アリの一穴」戦略で目指し、柳ヶ瀬裕文議員との連携も強化しながら、難局を乗り越えようとしています。この選挙が、彼の政治家としての信念と政策が問われる重要な戦いとなるでしょう。
参照元
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcee581a22e70ecf853b4abb1ef6622f6d56e121