7月の参議院選挙が目前に迫り、各政党間で政策論争が活発化しています。こうした中、日本維新の会の吉村洋文代表に単独インタビューを行い、同党が参院選で最も訴えたいと考えている主要な政策について詳細を聞きました。
参院選政策を語る日本維新の会 吉村洋文代表
維新が掲げる参院選の「3点セット」政策
吉村代表は、参院選で有権者に訴えたい重点政策として「3点セット」を挙げました。第一に、将来の人口構造を見据えた社会保障の抜本改革、特に現役世代の社会保険料の引き下げです。第二に、減税、規制改革、歳出改革を含む経済政策。具体的には、食品にかかる消費税を2年間ゼロにする提案を盛り込んでいます。第三に、東京一極集中を是正するための副首都構想です。東京圏に頼るのではなく、関西に第二の経済圏を構築し、日本を牽引するバックアップ機能を担わせる。そのための統治機構改革が必要だと主張します。
さらに、この構想の先には、福岡や札幌といった他の都市圏域がそれぞれ成長していくような都市戦略があると言及しました。現在の日本には明確な都市戦略がなく、霞が関がすべて同じルールで管理している現状を変えることが望ましいと述べています。
社会保険料引き下げの必要性と目的
社会保障改革における社会保険料引き下げを唱える目的と理由について、吉村代表は「既得権との戦いが必要な分野で、改革が進まないところを先送りしない政治」が維新のキーワードであると強調しました。社会保障分野はその最たる例だと言います。人口減少と高齢化がさらに進行する中で、現役世代の社会保険料負担は非常に重く、抜本的な改革がなければ、将来の子や孫の世代にさらに大きな負担がのしかかることになると警鐘を鳴らします。未来に向けて本当に安心できる社会保障制度を構築するためには、現状を問い直す必要があると語りました。
例えば、薬局で購入できる軽微な薬までが保険適用になっている現状や、働き手が少なくなる一方で社会保険料負担が増大している状況を挙げ、軽微な部分まで本当に全て保険適用にすべきなのか疑問を呈しました。こうした現状が続けば、負担が膨れ上がるのは必然であると指摘します。
膨張する医療費とその課題
医療費の膨張も社会保障制度の大きな課題であると吉村代表は述べます。自身の子ども時代には10兆円台だった年間医療費が、現在は47兆円に達し、2040年には80兆円になると予測されていることを挙げ、確実に右肩上がりで増加している現状を説明しました。
また、先発薬の特許が切れた後、効果が十分に認められているジェネリック医薬品がもっと活用されるべきであるにも関わらず、保険適用で先発薬の給付が続いている状況を問題視しました。同時に複数の医療機関で診察を受ける二重診療も、医療費の無駄遣いや薬の重複といった問題を引き起こしており、非効率的であると指摘。さらに、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)が全く進んでいない現状も課題として挙げ、変えるべき点は非常に多いと結論付けました。
まとめ
日本維新の会は、来る参議院選挙に向けて、社会保険料引き下げを含む社会保障改革、食品への消費税ゼロなど経済政策、そして副首都構想という「3点セット」を主要な政策として訴えています。吉村代表は、これらの改革は将来世代への負担軽減と日本の持続的な成長のために不可欠であり、特に社会保障分野における既得権益への挑戦と医療制度の非効率性解消が急務であると強調しました。