蓮舫氏、参院選出馬で国政復帰 「嘘つき」「渡り鳥」批判と心境の変化を語る

7月20日投開票の参議院議員選挙に、立憲民主党公認で立候補する蓮舫氏(57)が、AERAの単独インタビューに応じた。昨年の東京都知事選出馬に伴い参議院議員を辞職し、「国政選挙はもう考えていない」と表明してから約1年。なぜ再び国政の舞台に戻るのか、すでに上がっている批判にどう答えるのか、その真意を聞いた。

参院選出馬を表明し、国政復帰への思いを語る立憲民主党の蓮舫氏参院選出馬を表明し、国政復帰への思いを語る立憲民主党の蓮舫氏

「嘘つき」「渡り鳥」批判への釈明

昨年の東京都知事選には、私自身、全身全霊をかけて挑みました。本当にたくさんの方が支援してくださり、130万人近い方々が「蓮舫」と書いて投票してくれた。それにもかかわらず、結果は敗北でした。そのことで、街でいただいた多くの声に応えることも、選挙で掲げた公約を実現することも、あるいは東京都から国をより良くしていくということも、全て何もできなくなってしまった。その時のどうしようもない喪失感と、これから先どうしていくべきかという明確な答えが見つけられない中で、国政の場からは一度身を引く、いったんピリオドを打つという意味で、「国政選挙はもう考えていない」と皆さんの前でお話ししたのです。

今回、国政に戻ることに対して、「嘘つき」という批判の声があることは承知しています。これに対しては、本当に「ごめんなさい」と言うしかありません。その批判の声は謙虚に受け止め、この一年間で私の心境にどのような変化があったのかを、これから皆さんに丁寧にお話ししていくしかないと考えています。私自身、「渡り鳥」という例えを使ってしまったことについては、渡り鳥君には大変申し訳なかったと思っています。しかし、それでも、その渡り鳥になってでも国政の場に戻りたいと思えるほど、この一年の間に私の心境は大きく変化したのです。

国政不在中に見た変化と石破総理への失望

この一年間、国政から離れて政治を見ていましたが、衆議院で与党が過半数割れし、補正予算が修正された時は、これまでにない変化だと感じ、非常にワクワクしました。国会にいなくても、政治が動くのを感じました。

一方で、石破茂総理には失望を感じています。私は石破総理に期待していました。野党の声に耳を傾け、リベラルな政策も出せる人だと思っていたのに、どんどん「自民党化」していったと感じます。

特に問題なのが、高額療養費制度の自己負担増です。これは突然出てきた政策で、「骨太の方針」やマニフェストにもない。一体、どこでどのようにして決められたのか分からない政策であり、財務省や自民党が、利用者が少ないから大丈夫だろうと安易に判断した可能性があります。

蓮舫氏、国政復帰への決意

東京都知事選での敗北後、国政からの引退を示唆していた蓮舫氏が、政治状況の変化と心境の変化を経て、参院選での国政復帰を決断した。批判は謙虚に受け止める姿勢を示しつつ、石破政権への失望や高額療養費増など特定の政策への懸念を表明。国政の舞台で再び活動する強い意欲を語った。