国民民主党・須藤元気氏、過去のワクチン発言を反省「科学的根拠に乏しかった」街頭演説で改めて表明

国民民主党は2025年6月30日、東京都新宿区の新宿駅西口で街頭演説会を開催しました。同党の玉木雄一郎代表に加え、7月3日公示、20日投開票の参院選に比例区から公認候補として出馬する須藤元気氏らが参加し、政策を訴えました。特に注目されたのは、須藤氏が過去に行った新型コロナウイルスに関する発言に対する「反省の弁」です。

須藤氏はこれまで、新型コロナウイルスワクチン接種やマスク着用といった感染対策に対し、否定的な見解を発信し続けてきました。この経緯から、参院選への擁立が発表される直後から、いわゆる「反ワクチン」的な立場であるとして批判が続いており、本人からの詳しい説明を求める声が多数上がっていました。

この状況を受け、須藤氏は玉木代表と同党所属の医師である国会議員との鼎談形式の動画を公開し、自身の過去の発言について説明を行いました。動画の中で須藤氏は、自らの発信が「科学的根拠に乏しいものだった」と認め、反省の意を表明しました。この動画が公開された数時間後、新宿での街頭演説会が行われ、須藤氏は報道陣の前でも同様の反省の弁を述べました。

新宿での街頭演説後、報道陣の写真撮影に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表と参院選比例候補の須藤元気氏新宿での街頭演説後、報道陣の写真撮影に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表と参院選比例候補の須藤元気氏

須藤氏の発信で特に波紋を広げたのは、SNSのXへの書き込みでした。例えば、2025年4月5日には、ワクチン接種後の健康被害報告に関する報道を引用し、「報告されている健康被害の数を考えると、現在も接種が継続されている状況には疑問を感じざるを得ません」と投稿していました。

須藤氏のこうした発言に対し、「須藤元気さんに科学の大切さを伝えました」と題された動画が、2024年の衆院選で愛知16区から初当選した福田徹衆院議員のアカウントで公開されました。約27分間の動画では、救急科の医師として長年の経験を持つ福田氏が、ワクチンの副反応や治験の意義、そして須藤氏の過去の発信における問題点について詳細に解説しました。これに対し須藤氏は、「ご指摘をいただいて、自分自身、科学的根拠に乏しい発信だったんだな、というところは反省している」と応じ、自身の認識を改めたことを示しました。

動画公開後に行われた新宿での街頭演説会では、演説終了直後に玉木代表と須藤氏が並んで報道陣の囲み取材に応じました。玉木代表は、須藤氏の過去のXでの発言について言及し、「正直申し上げて、科学的根拠に乏しい発言があった。このことは本人にも反省を促したところだ」と説明しました。

さらに玉木代表は、須藤氏の過去の発信によって、コロナ禍という過酷な状況下で患者の命を救い、重症化を防ぐために尽力した医療従事者に対し、精神的にも肉体的にも大きな負担をかけてしまったことについて言及しました。その上で、「率直にわびるべきだということを申し上げた。動画の中でも既におわびをしているが、改めて皆さんに、そのことをしっかり表明をさせていただきたい」と述べ、党として改めて謝罪の意を表明しました。

今回の街頭演説とそれに先立つ動画での説明は、参院選を間近に控える中で、須藤氏の過去の発言に対する国民民主党としての明確な姿勢を示すものとなりました。

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