【エルサレム=福島利之】イスラエルのギデオン・サール外相は6月30日の記者会見で、隣国のシリア、レバノンと外交関係を結ぶことに関心を示した。
サール氏はイスラエルとイランの交戦を踏まえ、「我々の前には、多くの機会がある」と述べ、「イスラエルはアブラハム合意を拡大することに関心がある」と語った。
2020年に米国の仲介で結ばれたアブラハム合意で、イスラエルはアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどとアラブ諸国と国交を正常化させた。サール氏の今回の発言は、シリアとレバノンにも合意を拡大したいとの意向を示したものだ。
ただ、サール氏は、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で大部分を占領したゴラン高原については、「イスラエルの領土にとどまる」として合意に含まれない考えを示した。イスラエルは81年にゴラン高原の併合を宣言し、自国領として開発を進めている。