夏の全国高校野球で、初戦突破後に野球部員の暴力問題が発覚し、2回戦出場を辞退した広陵高校の件が大きな波紋を呼んでいます。この問題について、8月13日放送の関西テレビ『旬感LIVEとれたてっ!』では、元高校球児で歌手の新浜レオン氏と、弁護士の橋下徹氏がそれぞれの見解を述べ、活発な議論が展開されました。
旬感LIVEとれたてっ!に出演し、広陵高校の辞退について語る新浜レオンと議論する橋下徹氏ら
新浜レオンが語る「夢の舞台」の変容
昨年紅白歌合戦にも出場した新浜レオン氏は、高校時代に野球部主将を務め、捕手として千葉県ベスト4まで進んだ経験を持つ元球児です。番組MCの青木源太アナウンサーから広陵高校の辞退に関する見解を問われると、新浜氏は「僕にとって、球児にとって、甲子園っていうのは夢なんです」と、高校野球への深い思いを語りました。
しかし、広陵高校の1回戦を観戦した際、新浜氏は「その夢の舞台が、やっぱり夢の空気感じゃなかったんですよね。その問題を受けて」と、騒動が甲子園の雰囲気を変えてしまったと明かしました。この心境から、「辞退して正解だったのかなとか、そんな気持ちにはなりましたね。夢じゃない空気感がつらかったです」と、広陵高校の苦渋の選択に理解を示しました。
橋下徹氏が指摘するSNSと法的原則の重要性
一方、弁護士の橋下徹氏は、今年4月に施行された日本学生野球協会の新規則に注目。従来の連帯責任から個人のペナルティーへと変化した点を「素晴らしいルール」と称賛しました。広陵高校が「誹謗中傷や爆破予告から生徒の安全を守る」ことを辞退理由に挙げた点については理解を示しつつも、橋下氏は「SNSだけで辞退しようっていうのは違う。負けちゃいけないと思う」と私見を表明しました。
さらに、橋下氏は「『疑いのあるまんまでやることがどうなのか』って議論あるけど、世の中みんなそうです。裁判が確定、処分が確定するまでは本人の権利が認められて、そのまま継続することが大原則」と述べ、法的原則である「推定無罪」の重要性を強調しました。
議論の広がり:高まるプレッシャーと事前の対応
この議論に対し、東野幸治氏が「仮に(広陵が)勝ち続けて行くことによって、どんどんこの問題が大きくなって、野球する厳しさ、つらさが余計プレッシャーにもなったりとかする場合もあるじゃないですか」と問いかけると、新浜氏は「その通りだと思います」と深く共感を示しました。東野氏は最後に、今回の騒動全体を通して「広陵高校がもう少し(騒動を)調べておいたらこんなことにならなかったのかな」と持論を述べ、事前の調査や問題解決の重要性を訴えました。
今回の広陵高校の甲子園辞退は、高校野球における「連帯責任」のあり方、SNS時代の情報の拡散と影響、そして未成年者の権利保護という多角的な課題を浮き彫りにしました。新浜レオン氏や橋下徹氏ら著名人の見解を通じて、社会全体でこれらの問題に対する理解と議論が深まることが期待されます。
参考文献:
- ENCOUNT編集部. (2023年8月13日). 橋下徹氏は私見「SNSだけで辞退しようというのは違う」. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/cab2b5d706fe55bbdfedaad3da3971354f4185fb