東川千愛礼さん殺害事件、地元・瑞浪市に広がる悲しみと戸惑い

愛知県豊田市で発生した痛ましい事件から4日、被害者である会社員・東川千愛礼さん(19)の地元、岐阜県瑞浪市では、彼女を知る人々からの悲嘆の声が止まない。明るく、誰からも愛された彼女の突然の死は、地域社会に深い衝撃を与えている。

東川さんの交際相手であり、殺人容疑で逮捕されたパート従業員・安藤陸人容疑者(20)は、7月1日に送検され、現在も事件の詳細について取り調べが続いている。捜査関係者によると、犯行は東川さんのアパート室内にあった包丁を使った突発的なものと見られるが、遺体に残された数十カ所の刺し傷や皮下出血は、犯行の執拗さを示唆している。また、身を守ろうとした際にできる防御創がほとんど見られなかったことから、容疑者がためらいなく犯行に及んだ可能性が高いとみられている。動機はいまだ不明のままだ。

安藤容疑者の「執拗な殺意」によって命を奪われたとみられる東川さん。生前の彼女を知る友人や近隣住民は、一様に「いまだに信じられない」「心から辛い」と口にする。彼女の地元で理髪店を営む女性は、娘さんが東川さんと小中学校で同じクラスだったと語る。「事件のことを電話で伝えたら『何があったの…?』と絶句してしまって…。『20歳になったら式典でまた会おうねって約束したのに…』って、それだけ言ってあとは無言のまま泣いていました」。

東川千愛礼さんと安藤陸人容疑者、悲しむ知人の声東川千愛礼さんと安藤陸人容疑者、悲しむ知人の声

明るく活発、地元で愛された東川さんの素顔

東川さんの地元での人柄を語る声は多い。瑞浪市のホームページには、町内のマラソン大会に参加し、賞状を手に微笑む東川さんの姿が確認できる。地元の後輩は、東川さんと小学校時代に一緒にチアをやっていた経験を語り、「すごくフレンドリーだけど、声はハキハキと大きくて、頼りがいもあった印象です。今回のことは本当に、本当にショックです」と話す。

近隣住民も彼女の家族との交流を覚えている。「千愛礼ちゃんは両親とお兄ちゃんとでよくジョギングをしていたから、よく覚えています。有名なマラソン一家でしたよ。彼女は地区のマラソン大会にもよく出ていましたね」。昨年夏に地元の神社のお祭りで彼女に久しぶりに会った際には、「すごい美人さんになったね」と話したという。「まさか、こんな事になるなんて、信じられない」と、住民は肩を落とす。

中学生時代の東川千愛礼さん、チアやマラソンに取り組む活発な姿中学生時代の東川千愛礼さん、チアやマラソンに取り組む活発な姿

「二十歳の祝典」での再会叶わず

瑞浪市では、成人年齢が18歳に引き下げられた後も、「二十歳の祝典」として20歳になる年齢を対象に式典が開催されている。東川さんの多くの友人や知人は、この式典での再会を楽しみにしていたはずだ。理髪店を営む女性は、東川さんが「ご両親にも愛されて、育ちがいい女の子」だったと強調し、「親御さんのことを思うと本当に気の毒で…」と、遺族への心痛を語った。

明るく、周囲から慕われていた東川さんが、なぜこのような凄惨な事件に巻き込まれてしまったのか。安藤容疑者の動機解明が待たれる。

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