元ボクシング日本スーパーライト級王者の細川バレンタイン氏が、2025年7月2日に自身のYouTubeチャンネルで公開した動画内で、電車内でのトラブルにより警察沙汰になった経緯を明かしました。事態が発生したのは、朝の山手線の優先席でのことでした。
歯科受診のため山手線に乗車した細川氏が目にしたのは、優先席を複数占領し横たわる男性の姿でした。男性はリュックを枕にし、靴を脱いで裸足で横になり、そのまま足を座席に乗せていたといいます。さらに、寝ながらストロング系の缶チューハイを飲み、iPhoneで音楽を聴きながら鼻歌を口ずさんでいたとのことです。男性の座席の下には松葉杖が置かれていました。
ニュース記事に関連する山手線優先席のイメージ写真
車内が次第に混み合う中でも男性の態度は変わらず、周囲の人々はトラブルを避けるように気を遣って立っていたといいます。これを見た細川氏は、男性に「すみません、お兄さーん」と複数回声をかけましたが、男性は無視を続けました。再度声掛けや肩をたたくなどしましたが、反応はありませんでした。やむを得ず細川氏が男性のイヤホンを外し、「足が痛いのは分かりますが、優先席を3つも占領されると他の人が座れません。1つだけ使ってはいかがですか」と注意すると、男性は豹変。「バカ野郎!」「お前がそこに座っとけ!」「黙って座っとけ!バカが!」などと罵倒し始めました。
「僕には僕なりの正義があって僕はやってる」
細川氏は自身の性格を「瞬間湯沸かし器」と表現し、怒りを抑えきれなかった様子です。電車が高田馬場駅に停車した際、細川氏はこの男性の松葉杖を掴み、ホームに放り捨てました。松葉杖を失った男性は、「お前今やべえことやったぞ」「俺は足が悪いんだ、これは犯罪だ」と激昂し、細川氏を追求。松葉杖の弁償として24万円、慰謝料として85万円を要求すると言いながら、その場で警察に電話をかけ始めました。
当初、巣鴨駅で降りる予定だった細川氏でしたが、男性の通報を見て上野駅まで乗車し、男性と共に駅で警察官から事情を聴取されることとなりました。細川氏が事の顛末を説明すると、警察官からは「お兄さん、松葉杖は放り投げちゃだめだよ」と諭されました。しかし細川氏は、「分かります。ですが、僕には僕なりの正義があってやっています。これがもし刑事事件や犯罪になるのであれば、全く構いません」と返答したといいます。彼の目的は、相手が障害や怪我の状況に関わらず、「そんな傲慢な態度ではこの世の中を渡っていけない」と示すことだったと語っています。
このように、元ボクシング王者の細川バレンタイン氏が公共の場でのマナー違反に立ち向かった一件は、思わぬ警察沙汰に発展しました。優先席の利用ルールを巡るトラブルは日常的に起こりうる問題ですが、細川氏は自身の「正義」に基づき行動したと語っており、その是非が問われる形となりました。