山尾志桜里氏 参院選第一声:国民民主党批判と「中道」への訴え

参議院選挙(7月20日投開票)が3日、公示された。国民民主党から比例代表の公認を見送られ離党した山尾志桜里元衆院議員は、JR吉祥寺駅前で第一声に臨んだ。「基礎票がゼロですので難しい戦いだとは思いますが、無所属にしか訴えられない国の政策がある。本当に大事なことを正面からストレートに訴え、勝負をしたい」と、厳しい戦いとなる無所属での挑戦への意欲を語った。

参議院選挙の公示日、JR吉祥寺駅前で第一声を上げる無所属候補・山尾志桜里氏参議院選挙の公示日、JR吉祥寺駅前で第一声を上げる無所属候補・山尾志桜里氏

国民民主党との経緯と公認見送り

山尾氏は当初、国民民主党からの公認内定を受け、6月10日に出馬表明会見を行っていた。しかし、2017年に報じられた不倫疑惑に関する質問が相次ぎ、明確な回答を避けたことが問題視された。翌11日には、同党の玉木雄一郎代表が「十分な理解と信頼が得られない」として、山尾氏への公認見送りを決定した。これに対し、山尾氏は12日に「統治能力に深刻な疑問を抱いている。今後は一線を画す」とする長文の「怒りの文書」を党に送付し、党への強い不信感を表明していた。

「リベンジ」否定と演説での党批判

今回の出馬が「リベンジ出馬」の様相を呈しているとの見方もある中、山尾氏は7月1日に行った出馬会見では、そうした考えを「ゼロです」と否定し、党や所属議員への「怒りはない」と述べていた。

しかし、この日の第一声の演説冒頭では、国民民主党との一連の経緯に触れ、「結党時に誓い合った国民民主党ですら、選挙を前にしたら右旋回から逃れられないという状況を中から見ました。本当はたくさんの方が求めているはずの、右や左に偏らない中道の政治がなかなか根付かないんだと。それを教えてくれたのが今回の国民民主党との一連の経過でした」と述べ、同党の姿勢を批判する言葉を口にした。

無所属で訴える「ド真ん中の中道政策」

山尾氏は、自身の無所属での戦いを「この国の未来だけを思うド真ん中の中道の政策、その中道にかける思いを選挙で見える化する戦いにしていきたい」と訴えた。党に縛られない無所属だからこそ、特定の政策や政治姿勢をストレートに有権者に訴えられるとの考えを示唆した。

結び

国民民主党との複雑な経緯を経て、無所属での参議院選挙挑戦となった山尾志桜里氏。基礎票がない中で、自身の考える「中道政治」への訴えをどこまで広げられるか、注目される選挙戦の始まりとなった。

出典

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f9a59507d6cf6edcf9d1fc7a97773e9ca127238