「日本ニュース24時間」では、未来を担う注目声優を深掘りする特集を展開しています。今回は、著名な声優である岩田光央氏と愛河里花子氏を両親に持ち、慶應義塾大学に在学しながらプロの声優として活動する新人、岩田アンジ氏に焦点を当てます。声優を目指したきっかけから、演技の強み、意外な素顔、そして「二世」という立場を率直に見据えた彼自身の決意まで、多角的に岩田アンジ氏のパーソナリティとプロフェッショナリズムに迫ります。
声優を志した原点とプロへの道のり
岩田アンジ氏が声優業に興味を持ったのは、小学生の頃から人前で表現することに魅力を感じていたからです。声優だけでなく、俳優や歌手、アイドルといった表現者の仕事全般に関心を抱いていました。
プロの声優になるという明確な目標が定まったのは、高校1年生の時にマルコム・グラッドウェルの著書「Outliers」を読んだことがきっかけでした。成功者の共通点として「環境」の重要性が説かれているのを読み、「声優である両親を持つ自分にとって、これ以上の環境はない」と確信したといいます。この気付きが、プロの声優を目指す強い原動力となりました。
声優を目指し始めてから、母である愛河里花子氏のもとで演技の特訓が始まりました。高校生という多感な時期だったため、母親の前で役になりきることには当初、気恥ずかしさがあったそうです。思春期ならではの反発もあり、レッスンの最中に口喧嘩になり、中断してしまうこともあったというエピソードを明かしてくれました。しかし、繰り返し練習する中で、自身ができることが着実に増えていく実感を得るにつれて、レッスンは徐々に楽しいものへと変化していきました。
役者としての個性と「総合力」
岩田氏が演じる上で好きだったり、得意だと感じる役柄は、明るく正直な性格のキャラクターです。また、自身の年齢に近いキャラクターであれば、どのような性格であっても演じることに楽しさを感じると語ります。ジャンルとしては、学園ものに特に馴染みがあるようです。
自身を声優として特徴づける点は何かと尋ねると、一言で「総合力」だと答えます。演技面では、等身大でナチュラルな表現が得意ですが、小学生の頃から習っていたダンスや歌の経験も活かし、すべてをオールラウンドにこなせる力が自身の強みであると考えています。
未来の推し声優として注目の岩田アンジ氏のインタビュー時の写真
素顔に迫るプライベート
自身の性格を一言で表すと「正直」だと岩田氏は語ります。プロフィールには記載されていない意外な特技として、「おいしい緑茶を淹れること」を挙げてくれました。
好きなものと苦手なものについては、食べ物を例に挙げてくれました。好きな食べ物は、京はやしやの百年餅(ももとせもち)。抹茶生地のお餅の中に小さなくるみが入った和菓子で、その美味しさから「死ぬ直前に食べるならこれ」と断言するほどのお気に入りです。
一方、苦手な食べ物はアボカド。特にその独特な食感がどうしても克服できない理由だそうです。かつては苦手だったあんこやきのこは食べられるようになったものの、アボカドだけは未だに苦戦中。いつかその美味しさを理解できる人間になりたいと話します。
Fandomplusの「推し」というテーマに関連して、最近ハマっているものとして「ミュージカル」を挙げました。普段の生活では感情を歌で表現することは少ないが、ミュージカルではそれが成立する面白さに魅力を感じているそうです。歌が始まるだけで作品の世界観に引き込まれ、キャラクターの感情がより深く理解できる点が、ミュージカルの大きな魅力だと熱く語りました。
憧れを超えて、未来への視座
憧れの先輩声優がいるかとの問いには、「憧れるとその人を超えることはできないと思うから、憧れている声優さんはいないと言わせてください」と、プロとしての明確な視座を示しました。これまでに自身が出演した作品はすべて、様々なことを学ばせてもらった大切な作品であり、これから出演が決まっている作品も同様に、声優人生において大切なものにしていきたいと考えています。
岩田氏のリフレッシュ法は、一人の時間を作り、大学の課題に取り組んだり、趣味でミュージカルの脚本を書くこと。大学の課題は取り掛かるまで気が重いが、始めてしまえば案外楽しいと話します。ミュージカルの脚本執筆は最近始めたことですが、大まかな構想ができあがると、そこから物語をどのように発展させていくかを考えるプロセスが非常に楽しいそうです。
今後の展望と「二世」としての向き合い方
今後演じてみたい役柄や挑戦したい仕事について、岩田氏は現在、若くてフレッシュなキャラクターを演じることが多いが、ドロドロとした悪役にも挑戦してみたいという意欲を示しました。また、歌やダンスの経験を活かし、アーティスト活動にも挑戦したいと考えています。
プライベートでやってみたいことは、とにかく多くのミュージカルを鑑賞すること。趣味で脚本を書く上でのインプットを増やしたいのはもちろん、舞台で演じている俳優たちの演技を見て学びたいと語ります。
最後に、これからの目標について尋ねると、岩田氏は自身の「二世」という立場について率直に語りました。両親と同じ業界に入った以上、良くも悪くも「二世」と見られるのは避けられない現実です。「流石二世だね」と思われるか、「これだから二世は」と思われるかは、自分自身の取り組みにかかっていると強く認識しています。環境に甘えることなく、自身にしかできないことを追求し、プロの声優としての道を切り開いていく決意を表明しました。
[参照元] Yahoo!ニュース