東京都内でスーパーマーケット「アキダイ」を運営する秋葉弘道社長が5日、日本テレビ・読売テレビ系「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」に生出演し、参院選の主要争点となっている物価高対策、具体的には現金給付と消費税減税について自身の見解を述べました。物価高が続く中、家計への支援策が注目されており、政府・与党の現金給付案と野党の消費税減税案が対立しています。
物価高対策としての現金給付や消費税減税についてメディアで発言するアキダイ秋葉弘道社長
現金給付に軍配「即効性がある」
秋葉社長は、議論されている二つの対策、すなわち現金給付と消費税減税のうち、どちらかを選ぶなら現金給付だと述べました。その理由として、消費税については既に現在の税率に慣れている状態であり、より即効性があるのは給付である点を強調。また、「高い物を買う人には減税されれば大きいが、庶民の生活の中で少しでも安い物を買おうと思ってる人からしたらそんなに大きな消費税の負担じゃない」と説明し、日々の生活の中で少しでも負担を減らしたいと考える層には、現金給付の方が恩恵が大きいとの見方を示しました。現金給付は消費者にとって直接的な支援策として機能すると繰り返しました。
消費税減税への懸念「小売店にかなりの負担」
一方で、消費税減税が実施された場合に小売店、特にスーパーマーケットのような現場で発生する作業負担について懸念を表明しました。現在の総額表示では、食品などの軽減税率対象品目は100円の商品が108円と表示されていますが、税率が5%や3%に変更されると、これら全ての価格表示(ポップ)を作り直す必要が生じます。「全てのポップを替えないといけないというリスクがある。かなりの労力で、私たち販売する側とすると厳しい」と、現場の事務作業の多大さを指摘しました。消費税率の変更は、小売店側にとって無視できないオペレーション上の大きな負担となると強調しました。
期間限定減税の不安と税率変更の苦労
期間限定での消費税減税は、「本当の意味で安心という形にはならない気がする」と述べ、恒久的な税率変更(例えば「ずっと消費税5%になりますよ」)であれば話は別だが、一時的な措置では先の見通しが立ちにくく、消費者も店舗側も混乱しやすいとの考えを示しました。さらに、消費税率が変更される際に店舗側が行う作業の過酷さに改めて言及し、「あの作業は地獄のようですよ」と、過去の経験に基づいた率直な本音を語りました。価格表示の変更に伴う混乱や作業負担は、単なる手間に留まらない深刻な問題であるとの認識を示しました。
以上のことから、アキダイの秋葉社長は、物価高対策としては家計に直接届き、即効性のある現金給付を優先するべきであり、他方で消費税減税は特に小売店にとって価格表示の変更など莫大な事務負担を伴うため、実施には慎重な検討が必要であるとの立場を強調しました。今回の発言は、選挙で争点となる経済対策について、現場からの貴重な声として注目されています。