3人組アイドルグループ『NEWS』が8月から開催するライブツアー『NEWS LIVE TOUR 2025 変身』のチケット当選発表が7月7日に行われ、その結果がファンの元に届き始めた。ネット上では当選の喜びや落選の悲しみが交錯し、お祭り騒ぎとなっている。しかし、その中で一部の動きが不穏な話題を呼んでいる。多くのファンが注目するNEWSのライブチケットを巡る状況と、それにまつわるチケット取引の課題が浮き彫りになっている。
「#NEWSチケットの輪」とは何か?
7月7日に順次行われたチケット当落発表後、X(旧Twitter)上では落選を嘆くファンの声が多数見られた。そんな中、「NEWSチケットの輪」という謎のハッシュタグがXのトレンドに浮上した。これは、ファン同士が不要になったチケットを譲ったり、逆にチケットを求めたりすることを目的とした「交換」や「譲渡」を意味するワードとして使われ始めたものだ。X上には「NEWS LIVE TOUR 2025 お譲り先を探しております」「LINE交換、連絡先交換可能可能な方。お心当たりのある方はDMにてご連絡お願いいたします。#NEWSチケットの輪」といった投稿が瞬く間に拡散された。
NEWSライブツアー「変身」を発表したメンバー3人(小山慶一郎、増田貴久、加藤シゲアキ)
ファンからの反発と「転売」の影
「#NEWSチケットの輪」の動きが広がる一方で、正攻法でチケットを申し込み、残念ながら落選してしまったファンや、ルールを守って取引をしようとしているファンからは、この状況に対する批判の声が上がっている。彼らは、「#NEWSチケットの輪」と称した取引が、実質的には転売行為や規約違反に繋がりかねない「黒に近いグレー」な行為であると捉えているようだ。《NEWSチケットの輪ってただの転売ってこと?》《なかなかの黒寄りのグレーになりそう…?》《なにが#NEWSチケットの輪だよ 譲る気ならはじめから買うなよ!》といった、怒りや疑問を表明する投稿が多数見受けられた。行きたい公演に行けないファンがいる一方で、複数の公演に申し込んで当選したチケットを安易に譲渡・交換しようとする行為が、不公平感を生んでいる状況が浮き彫りになっている。
STARTO ENTERTAINMENTにおけるチケット転売の現状と対策
STARTO ENTERTAINMENT社(旧ジャニーズ事務所)に所属するグループのライブチケットを巡っては、これまでにも度々転売問題が指摘されてきた。基本的に、ファンクラブ先行などで購入したチケットは、申し込んだ本人のみが使用できることになっている。しかし実際には、行けるか分からない日程分まで複数申し込んだり、同行者として知人の名前を借りて申し込んだりし、当選したチケットを知人やSNS上で見つけたファンに定価やそれ以上の価格で譲渡・転売する行為が、当落発表後に恒例となっていたのが現状だ。特にSnow Manなどの人気グループのチケットは高額で取引され、逮捕者が出る事態にまで発展するなど、長年にわたり問題視されてきた経緯がある。
公式リセールサービス「RELIEF Ticket」の開始と課題
こうした現状を改善するため、STARTO社は2024年6月から公式のリセール制度『RELIEF Ticket』を開始した。これは、やむを得ずライブに参加できなくなったファンが、チケットを希望する別のファンに正規のルートで定価で譲ることができる安全なサービスとして導入されたものだ。これにより、個人間取引におけるトラブルや高額転売のリスクを減らすことが期待されている。しかし、この新しい仕組みがファン全体に浸透し、広く利用されるようになるまでには、まだ時間がかかると見られている。公式リセールサイトは開始早々、個人情報の漏洩が発覚するなど、運営上のミスが目立ったこともあり、一部のファンは利用に対して不安を抱いているのが現状だ。さらに、ライブ会場での本人確認が依然として甘い場合もあり、様々な抜け穴を利用した転売行為が完全にはなくならない要因となっている。
転売減少に向けた動きは少しずつ見え始めているものの、公式システムの信頼性向上や本人確認の徹底など、改善すべき点はまだ山積していると言える。公式リセールシステムがより早く軌道に乗り、ファンが安心してチケットを取引できる環境が整うことが強く望まれている。