7月6日に放送されたフジテレビの検証番組『検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~』では、人権・コンプライアンス問題、特に中居正広氏に関するトラブルへの対応が検証されました。この番組には港浩一元社長や佐々木恭子アナウンサーら当事者が複数出演しましたが、元編成幹部社員のB氏(※アルファベット表記は第三者委員会の調査報告書に基づく。以下同)は出演しませんでした。B氏は、今夏の人事で再び厳しい立場に置かれることが明らかになっています。このフジテレビの人事異動は、中居氏を巡る一連の騒動の影響と見られています。
トラブル発覚から懲戒処分へ
2023年6月、中居氏と元フジテレビ女性アナウンサーAさんとの間のトラブルが性暴力と認定され、3月末の調査報告書で詳細が明らかにされました。B氏はトラブルへの直接的な関与はなかったものの、その後の言動が問題視されました。報告書によると、中居氏からトラブル後の対応について相談を受けたB氏は、部下であるAさんのためではなく、中居氏のために行動するようなメールのやり取りが確認されています。また、入院中のAさんのもとに中居氏から預かったとされる「見舞金」を届けた行為が、「女性への二次加害となり得る不適切な行為」と認定されました。これを受け、2024年6月5日には、被害女性への非違行為および過去の女性社員に対するハラスメント行為で、B氏に対して4段階の降格と1カ月の懲戒休職という処分が発表されました。
再び役職を失ったB氏の最新人事
懲戒処分から1カ月が経過し、今夏のフジテレビの人事でもB氏に大きな動きがありました。2023年6月にはテレビ局の中枢である編成部長に抜擢されていたB氏ですが、一連の騒動の影響を受けて、2025年1月30日付けで人事局付に異動し、制作現場から離れたことが複数のメディアで報じられていました。異動後の役職は人事局付の「主任」でしたが、今回の7月10日付けの人事で、その役職も外され「平社員」となったとのことです。6月に懲戒休職が発表されたことから、1カ月の休職期間を経て、役職が剥奪されたものと考えられます。編成幹部から一般社員へと、再び逆戻りする形となりました。
B氏の栄光と中居氏との関係
編成幹部から降格したB氏ですが、中居氏を巡る騒動以前は、フジテレビのバラエティ番組制作で大きな成功を収めていました。1996年にフジテレビに入社したB氏は、当初制作部でADを務めた後、順調にキャリアを重ね、『めちゃ×2イケてるッ!』や『森田一義アワー 笑っていいとも!』といったフジテレビの看板人気番組でプロデューサーを担当し、その黄金期を支えました。
フジテレビのバラエティ番組制作に携わっていた頃のB氏の姿
7月6日の検証番組では、B氏が駆け出しの頃から中居氏と麻雀を通じて親交を深め、中居氏から急な誘いがあっても、外せない業務を除いてはプライベートを顧みず駆けつけるなど、“盟友”と呼べる存在だったことが明かされました。そうして編成幹部まで登り詰めたB氏が、その立場を失う原因が中居氏を巡る問題であるというのは、なんとも皮肉な結果と言えるでしょう。
今後の見通し
B氏が主任の役職から外れた人事に関して、フジテレビは「社員個別の人事に関しては、お答えしておりません」とコメントしています。かつて苦楽をともにし、深い親交があったB氏が、自身を巡る問題の余波を受けて再び厳しい局面に立たされていることについて、中居正広氏が何を思っているのか、注目が集まります。この人事異動は、フジテレビにおける一連の問題処理がまだ続いていることを示唆しています。