日米貿易協定が4日に承認され、今国会最終盤の焦点は、主要野党による衆院への内閣不信任決議案提出の有無に移った。立憲民主党は決議案が否決されれば、首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑追及の機運がしぼみかねないと懸念し、政府・与党に9日までの会期の延長を求める奇策に出た。一方、立民と統一会派を組む国民民主党は不信任案提出を求める主戦論が根強く、足並みがそろうかが注目される。(千田恒弥)
■追及のため異例の「越年国会」作戦
「首相隠し、『桜』隠し、データ隠し…。全く理解できない」
立民の蓮舫参院幹事長は4日、記者団に与党が参院予算委員会の開催を拒否したことに不満を示し、金子原二郎委員長(自民)の解任決議案提出を検討する考えを明らかにした。
主要野党は4日の国対委員長会談で、与党側に会期延長を求める方針を確認した。立民の安住淳国対委員長は記者団に「異例だが、野党から大幅延長を申し入れたい」と述べ、“越年国会”を実現して疑惑追及の機会を確保したい考えを示した。
一方で、今国会最大の課題だった協定の承認案は、4日の参院本会議で紛糾せずに採決された。与党からは「あれほどあっさりいくとは…」と拍子抜けした声も漏れる。
■主戦論の玉木氏ら、合流問題も絡み…
野党に残されたカードで最も強い不信任案について、立民は態度を決めかねている。安住氏は「出したら(与党側に否決されて)『信任』という結果になる」と述べた。政府関係者は「立民は選挙の準備ができておらず、否決後の衆院解散を恐れているのだろう」と足元を見透かす。