【アイ・ラブ・ニューヨーク】国連 お金がない!





国連のロゴマーク=ニューヨーク(ロイター)

 ニューヨークの国連本部では10月からさまざまな経費削減策が取られている。一部エスカレーターは停止し、警備の規模も縮小。新規雇用は凍結され、職員の出張も最重要なものに限定されているという。

 国連の予算を担う加盟国の分担金の支払いが滞っているためで、12月3日現在で、193カ国中、全額を納めていないのは55カ国。約28億ドル(約3000億円)の予算のうち3割弱が足りていないという。

 国連によると、最大の財政負担国である米国は約5億ドル分が未納で、他にもブラジル、韓国、北朝鮮、サウジアラビア、イランなども滞納。財政負担国3位の日本と、2位の中国は全額を支払っている。

 滞納する加盟国の多さは国連軽視の姿勢の表れといえるが、この経費削減策には思わぬ“効果”も生まれているようだ。通訳や警備員などの時間外勤務が認められないため、会議は午後6時で終了。「会議が時間通りに始まり、審議もスムーズに進むことが多くなった」(国連職員)という指摘も上がる。

 世界各国の報道陣の作業ブースが入る3、4階のエスカレーターは停止されてから約2カ月。「記者に不便さを感じさせ、財政難の問題を世界に広く知らしめたいのでは…」。記者の間ではこんな愚痴も飛び交っている。(上塚真由)



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