日本代表、東アジアカップ連覇!森保監督が語る「個とチームで韓国を上回った」その真意

2025年東アジアサッカー連盟(EAFF)E-1チャンピオンシップで、日本代表が宿敵・韓国代表を破り、見事2連覇を達成しました。この快挙達成後、日本代表を率いる森保一監督は、その勝利の要因を「選手個人の能力でもチームでも韓国を上回った」と自信を持って語りました。今回の優勝は、単なる勝利以上の意味を持ち、今後の日本サッカーの方向性を示すものと言えるでしょう。

森保監督「プライドと攻撃意識が優勝へ」

竜仁(ヨンイン)ミルスタジアムで行われた第3戦で、日本代表は韓国代表に1-0で勝利し、3戦全勝で優勝を決めました。試合後、森保監督は選手たちへの深い感謝と賛辞を述べました。「選手たちが日本代表としてのプライドを胸に大会に臨み、それが優勝につながった」と語り、チーム全体の士気の高さが結果に直結したことを強調しました。さらに、試合運びについては「我々は守備をしながらも攻撃をすることを忘れなかった。我々のチームが個人の能力とチームパワーで韓国を上回った」と分析。守備に重心を置きつつも、常に攻撃の機会を伺う柔軟な戦術と、選手一人ひとりの技術、そしてチームとしての総合力が韓国を凌駕したとの見解を示しました。

国際サッカー連盟(FIFA)が定めるAマッチ期間外であったため、両チームともに欧州組を招集できない状況でしたが、森保監督はこの大会の質を高く評価しました。「アジア最高レベルのクオリティーの中で試合ができた。選手たちにワールドカップ(W杯)への夢を与えられたという点でうれしく思う」と述べ、若手選手や国内組にとって大きな経験とモチベーションになったことを強調しました。

東アジアカップ日韓戦の試合前に挨拶を交わす日本代表の森保一監督と韓国代表の洪明甫監督。両国のサッカー育成論とライバル関係の深化が期待される。東アジアカップ日韓戦の試合前に挨拶を交わす日本代表の森保一監督と韓国代表の洪明甫監督。両国のサッカー育成論とライバル関係の深化が期待される。

世界を目指す育成哲学と韓日戦の特殊性

森保監督は韓国サッカーについて「フィジカル的な面で非常に強いチームで、テクニックも発揮していた。弱点は特に言及するところがない」と敬意を表しました。また、「日本が韓国に対して3連勝となったが、どちらが勝ってもおかしくない試合だった」と述べ、両国の実力は拮抗しているとの認識を示しました。

これに先立ち、韓国代表の洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は、日本サッカーの一貫した選手の発掘・戦術システムに羨ましさを表していました。この点について、森保監督は日本の選手育成システムに言及。「日本は町クラブから最高チームにつながる選手育成システムを備えている」と説明し、「私もプロでありJリーグ出身の監督、A代表チームの指揮官として最高のチームだけで結果が出るのではないということを実感する」と、育成の重要性を語りました。さらに、「日本は多くの指導者が熱情的に汗を流して選手を育てている。選手たちの成長を支える、親を含む多くの『サッカー家族』関係者が努力した結果が『トップチーム』につながっている」とし、選手だけでなく指導者や保護者など、サッカーに関わる全ての関係者の献身が日本の強さの源であると強調しました。「我々は世界で勝つための大きな夢と希望を共有しながら、どのように育成するのか集中し、過程を大切にしている」と述べ、長期的な視点での育成哲学があることを示唆しました。

韓日戦の特殊性については、森保監督自身の経験を交えて語られました。「私は今回が(東アジアカップへの)3回目の参加だが、最初の大会で不運にも韓国に敗れて優勝を逃した」と振り返り、「両チームの対戦にメディアはいつも熱狂する。敗れれば時には批判を受けたりする。私も最初の大会で敗れて批判を受けた」と、その重圧を明かしました。しかし、「プロとして、国家代表として批判に対する覚悟はできている」と強い意志を見せつつも、「勝っても負けても育成を含めて成果と課題があり、改善の余地がある。ただ批判ばかりするのではなく、メディア関係者も両国が改善できるよう支援してくれればよい」と、建設的な議論の必要性を訴えました。

アジアを牽引するライバル関係の重要性

最後に、森保監督は今後の国際サッカーにおける日韓の役割に言及しました。「世界強豪と親善試合を組むことが非常に難しくなっている。日本と韓国が良いライバルであり同僚としてアジアを引っ張り、世界で勝つために互いに協力しなければいけない」と語り、アジアサッカー界をリードする両国の責任と、相互協力の重要性を強調しました。そして、「このような対戦を通して競争力を高め、世界に向かって挑戦していけることを希望する」と締めくくり、今後も日韓戦が両国のサッカーを発展させる重要な機会となることへの期待を表明しました。

結論

今回のE-1チャンピオンシップでの日本代表の優勝は、森保監督の緻密な戦術と、選手たちの高いプロ意識、そしてこれまで培われてきた日本サッカーの育成システムの成果を改めて示すものとなりました。特に、世界を見据えた育成哲学や、日韓戦が持つ特別な意味、そしてアジアを牽引する両国の協力関係への言及は、今後の日本サッカーの発展において重要な指針となるでしょう。

参考資料