20日に行われた参議院議員選挙の和歌山選挙区において、無所属の望月良男氏が当選を確実とし、注目を集めています。この結果は、長年にわたり強固な地盤を築いてきた二階俊博元自民党幹事長の「二階王国」に大きな転換点をもたらすものと見られています。
和歌山選挙区:激戦の構図と候補者たち
今回の和歌山選挙区には、当選した元有田市長の望月氏のほか、二階俊博氏の三男で元秘書の二階伸康氏(自民)、元県議の浦平美博氏(維新)など、過去最多となる7人が立候補しました。二階伸康氏は、昨年10月の衆院選和歌山2区で世耕弘成前自民党参院幹事長に敗れた雪辱を期して、今回の参院選に臨んでいました。和歌山県は、二階俊博元幹事長のお膝元として、長らく強固な保守地盤を誇ってきました。
当初予測を覆した「保守分裂」と失策
当初、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、AERA(7月7日号)の情勢分析で二階伸康氏の当選が堅いと見ていました。また、立憲民主党と日本維新の会の間で候補者調整が成功し、野党候補が浦平氏に一本化されたことで、政治ジャーナリストの青山和弘氏からは浦平氏の当選可能性すら指摘されていました。
しかし、選挙戦が進むにつれてダークホースとして急浮上したのが望月氏です。望月氏は今年2月、自民党県連の公認選挙で二階氏に敗れましたが、その後、世耕弘成氏の全面的な支援を受け、二階氏の牙城に挑む「保守分裂」の構図が形成されました。さらに、7月8日には二階伸康氏の応援演説に駆けつけた自民党の鶴保庸介参院議員が「運のいいことに能登で地震があった」と失言。この発言が有権者の反感を買い、二階伸康氏の失速を招きました。結果として、望月氏が保守票を大きく獲得する形となりました。
参院選和歌山での結果に影響を与えた二階俊博元自民党幹事長
「二階王国」の終焉が意味するもの
昨年の衆院選に続き、参院選でも苦渋を味わうことになった二階伸康氏の敗北は、「二階王国」の崩壊を決定的なものとしました。この和歌山選挙区での結果は、長年続いた有力政治家の支配構造に変化が生じていることを示唆しており、今後の自民党内の力学や地方政治の動向に大きな影響を与えるものと見られます。今回の選挙は、有権者の選択が地域の政治地図を大きく塗り替える可能性を示した象徴的な事例と言えるでしょう。
参考文献:
- AERA編集部. (2025, July 21). 参議院議員選挙和歌山選挙区の報道. Yahoo!ニュース. Retrieved from https://news.yahoo.co.jp/articles/c4f43f4bda4a1227a64d557620c9dd1504eb41a7