石原伸晃氏、石破首相の続投を猛批判:参院選惨敗の「大義」なし

自民党の元幹事長で、今年6月に政界引退を発表した石原伸晃氏(68)が7月21日、BS日テレの報道番組「深層NEWS」に生出演しました。この中で石原氏は、先日投開票された参院選での自民党の惨敗にもかかわらず続投を表明した石破茂首相に対し、厳しい批判を展開しました。

参院選惨敗と石破首相の続投表明の背景

事実上の政権選択選挙とも称された今回の参院選は、7月20日に投開票が行われました。結果として、与党である自民党と公明党は、非改選議席を含めて過半数となる50議席を目標としていましたが、これを下回り、合計47議席にとどまる惨敗となりました。

選挙翌日の21日に会見を開いた党総裁の石破茂首相は、この惨敗を謝罪する姿勢を見せつつも、比較第一党としての与党の責任を繰り返し強調しました。石破首相は、自身の続投意思を表明するにあたり、「国際情勢の外部環境の変化、自然災害は政治状況が整うことを待ってくれるわけではない。政治には一刻の停滞も許されない」と述べ、国の直面する困難への対応の必要性を理由に挙げました。

石原伸晃氏の肖像写真、国会関連の背景。元自民党幹事長として、石破首相の続投表明を批判する様子を伝える記事内容と関連。石原伸晃氏の肖像写真、国会関連の背景。元自民党幹事長として、石破首相の続投表明を批判する様子を伝える記事内容と関連。

石破首相が続投の根拠として挙げたのは、交渉期限が迫るトランプ関税問題、深刻な物価高、頻発する自然災害、そして緊迫する安全保障環境という、いわゆる「4つの国難」でした。

石原伸晃氏による「続投の大義」への疑問

しかし、石破首相のこうした続投理由に対し、石原伸晃氏は番組内で厳しい見解を示しました。「(それは)続投の大義になるんですか?」との問いかけに対し、石原氏は苦笑いを浮かべながらも「なりません」と断言し、スタジオ内には一時笑いが起こる場面もありました。

石原氏は、「これは今に始まったことじゃない。“To be continued(続き)”できている話だから。これに対する備えはやっていますよ」と述べ、挙げられた「国難」は突発的なものではなく、これまでも継続的に対応が図られてきた課題であることを指摘しました。さらに、「いざあった時に、彼が言いたいのはたぶん、総理がいなくて戦争に明け暮れているとまずいと。そう言えばいいのに。自分が続投する理由にはならない」と、石破首相の真意は有事におけるリーダーシップの必要性にあるべきで、個人的な続投の理由にはならないと厳しく批判しました。

石破政権下では、昨年秋の衆院選で自公両党が過半数を割り込み、今年6月の東京都議会議員選挙でも歴史的な大惨敗を喫するなど、今回の参院選を含め「3つの大きな負け」が続いています。この現状に対し、石原氏は「国民の皆さん方がダメだって言ったものを、3回連続いいって自分で言ったら、こりゃ誰も信じなくなりますよ、政治家の言葉を。王様は裸なんですよ」と痛烈な皮肉を込めて訴えかけました。これは、石破首相が国民の審判を真摯に受け止めず、その言葉の信憑性を失っている現状を「裸の王様」になぞらえ、国民からの信頼が失われつつあることへの警鐘を鳴らしたものです。

まとめ

石原伸晃氏の石破茂首相に対する批判は、参院選での与党の惨敗を受けて、首相が続投を表明した理由である「4つの国難」が、国民の目には「大義」として映らないという現状を浮き彫りにしました。国民が「ダメだ」と示したにもかかわらず、自身の判断で「良い」と言い続ける政治家の姿は、最終的に言葉の重みを失い、信頼を損なうことにつながるという石原氏の指摘は、今後の石破政権の行方と国民との関係を考える上で重要な視点となるでしょう。


参考文献