石破首相、参院選大敗で進退迫られる:党内重鎮との緊迫会談

参院選での自民党の大敗を受け、石破茂首相(自民党総裁)が麻生太郎最高顧問ら首相経験者3人と党本部で会談した際、首相経験者側から首相の「出処進退」を明確にするよう求められていたことが23日、自民党重鎮への取材で明らかになった。この会談で麻生氏は、石破自民党では選挙に勝てないことが明白になったとして、早急な対応を迫ったとされる。首相は会談後、記者団に対し「私の出処進退について一切話は出ていない」と語っていたが、党内の緊迫した状況が浮き彫りとなっている。

石破茂首相が自民党本部での重要会談に臨む様子石破茂首相が自民党本部での重要会談に臨む様子

参院選大敗後の緊迫会談:石破首相への進退要求

今回の会談は、自民党が参院選で歴史的な大敗を喫した直後に行われたもので、党内の動揺と危機感を如実に示している。麻生太郎最高顧問は、石破政権下での選挙戦略の失敗を指摘し、「石破自民党では選挙に勝てないことが明らかになった。対応をすべきだ」と厳しく追及。これは、単なる選挙総括に留まらず、首相自身の責任問題、ひいては政権のあり方そのものに対する直接的な問いかけであった。

石破首相は、この会談には麻生氏のほか、岸田文雄前首相、菅義偉元首相、そして森山裕幹事長が同席し、今後の政権運営について協議したと説明。首相は会談後も改めて続投への強い意欲を示したが、会談の場で首相経験者らが首相の進退にまで言及した事実は、首相への圧力が前例のないレベルに高まっていることを物語る。

政権運営を巡る主要人物の思惑と党の危機

会談では、岸田文雄氏も首相が参院選の総括に意欲を示す一方で、「選挙の検証も大事だが、その後のシナリオも明らかにすべきだ。そうでなければ党内はもたない」と述べ、党内の不安定な状況と先行きへの懸念を表明した。これは、単なる敗因分析だけでなく、党の求心力を維持するための具体的なビジョンとリーダーシップを石破首相に求めていることを示唆している。

一方、菅義偉元首相は、複数の自民党議員が首相辞任を求め、総裁選の前倒し実施を目的とした「リコール」や、両院議員総会の開催に向けた署名集めを行っている現状を踏まえ、党の分裂に対する強い危機感を示した。党内では、公然と首相の退陣を求める声が上がり、それが具体的な行動に移されていることは、自民党が深刻な内部分裂の危機に直面していることを意味する。

自民党の選挙ポスターで石破首相の顔写真が候補者のビラで覆われた一幕自民党の選挙ポスターで石破首相の顔写真が候補者のビラで覆われた一幕

今回の首相と党重鎮の会談は、参院選大敗後の自民党が直面する厳しい現実を浮き彫りにした。石破首相は続投への意欲を堅持しているものの、麻生氏ら経験者からの進退に関する厳しい要求、岸田氏が示す党内安定への懸念、そして菅氏が警鐘を鳴らす党分裂の危機は、政権運営の困難さを増している。今後、石破首相がこれらの内外からの圧力にどのように対応し、党内の求心力を回復させるかが、政権の命運を左右する重要な焦点となるだろう。

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