2014年7月26日、長崎県佐世保市で発生した高校1年生の女子生徒(当時15歳)による同級生殺害事件は、社会に深い衝撃を与えました。自宅マンションの一室でクラスメートを殺害し、その遺体を解体するという、血も凍るような行為に及んだ「少女A」の所業は、多くの人々の記憶に刻まれています。この事件の背景には、恵まれた家庭環境に育ったとされる少女Aの、これまで知られざる「裏の顔」と、幼少期からの「問題行動」がありました。本稿では、当時の「週刊新潮」の記事を再録し、事件へと繋がる彼女の過去の行動に焦点を当てて詳述します。
佐世保同級生殺害事件の捜査拠点となった長崎県警佐世保警察署
幼少期からの「問題行動」
少女Aの幼少期からの行動には、その後の事件を予見させるような不安定な兆候が見られました。彼女の家族を知る人物は、「Aちゃんが幼稚園に通っていた頃、うちの子は彼女と一緒の絵画教室に行っていました。そこでのAちゃんの評判は良くなかった。彼女は落ち着きがなく、感情の起伏が激しいので、徐々に他の子たちから避けられるようになっていったのです。結局、Aちゃんが来る曜日だけ、教室はガラガラになってしまいました」と証言しています。
さらに、少女Aが小学6年生の時には、より深刻な事件を起こしていました。気に食わない同級生の給食に漂白剤を混入したのです。この事件が大事に至らなかったのは、彼女の母親が教育委員を務めていたためではないか、と当時囁かれました。
給食への漂白剤混入事件の詳細
少女Aが通っていた小学校の関係者によると、給食に異物を入れられたのは男子児童と女子児童でした。特に女子児童は、その影響で生理が止まってしまうという健康被害を受けました。この騒動の後、小学校の校長は左遷され、担任の先生は別の学校に転任となるという異例の事態に発展しました。また、少女A自身もこの事件以来、通常の授業に出席せず、保健室に通う生活を送るようになりました。
実際に給食に異物を混入されたという小学校時代の男子同級生は、当時の状況を詳細に語っています。「給食の玉子スープに入れられたのです。食べ終わった後、Aが私の席に来て奇妙な笑みを浮かべながら『分かった?』と言う。『何が?』と私が聞くと、彼女は『水酸化ナトリウムば入れた』と言いました」と証言。男子生徒は、「まさかと思いましたが、気になったので放課後、Aに声をかけたらポケットから封のできるビニール袋に入った透明の液体とスポイトを取り出し、『理科の先生に理科室の鍵を借りて持ってきた』と言ったのです。言葉を失いましたね」と当時の衝撃を明かしています。この件が担任教師に報告され、しばらくして校長や両親と共に少女A本人が謝罪に訪れましたが、彼女はなかなか謝ろうとせず、大人に促されてようやく謝罪の言葉を口にしたといいます。
結び
佐世保同級生殺害事件の犯人である少女Aには、事件以前から幼少期にまで遡る数々の「問題行動」と、その中に潜む深刻な内面的な問題が浮かび上がってきます。給食への漂白剤混入事件に見られる彼女の行動は、単なる悪質ないたずらではなく、他者への攻撃性や共感性の欠如を示すものでした。恵まれた環境にありながらも、その裏で培われていたとされる彼女の“裏の顔”は、今回の同級生殺害事件の悲劇に深く関わっていると考えられます。今後の記事では、事件後に彼女の父親を襲った悲劇、そして11年後の元「少女A」の近況についても詳述していきます。
参考文献
- 週刊新潮 2014年8月7日号 (再録記事)
- Yahoo!ニュース: https://news.yahoo.co.jp/articles/b11df18a5da28372cb07cc4760d5b77cbd017d9a