ドナルド・トランプ前米大統領が7月27日、自身が所有するスコットランドのゴルフコース「トランプ・ターンベリー」でゴルフを楽しんだ際、ソーシャルメディア上で「不正行為」をしたのではないかとの非難が噴出している。これは、同氏のゴルフにおける過去の悪評を再び浮上させる事態となっている。
疑惑の映像が拡散:キャディによるボール移動
反極右系サイト「PatriotTakes」が公開した映像には、トランプ氏のキャディがバンカー近くの草むらからさりげなくボールを移動させる様子が映し出されている。ゴルフにおいては、ショットが困難な「アンプレヤブル」の状況でボールを「ドロップ」することは認められているが、キャディがプレイヤーのボールをドロップすることは基本的に許されていない。
もしこの行為がドロップではなく、単にボールを打ちやすい場所に移動させるためだったとすれば、トランプ氏は「ボールはあるがままの状態でプレーする」というゴルフの基本的な原則を無視したことになる。この映像に対し、SNS上では「これが私たちの大統領か……トランプは文字通り、やることすべてにおいてズルをする」といった批判の声が上がっている。
スコットランドのトランプ・ターンベリー・ゴルフコースでプレー中のドナルド・トランプ氏(2025年7月27日)。キャディによるゴルフボール不正移動疑惑が浮上。
過去にも繰り返された「不正の悪評」
今回の疑惑は、トランプ氏のゴルフに関する悪評が今に始まったことではないことを改めて示している。2019年にはスポーツライターのリック・ライリー氏が『コマンダー・イン・チート(不正をする司令官):ゴルフでわかるトランプ』という本を出版し、トランプ氏のゴルフにおける不正行為を詳細に記している。
ライリー氏は2024年に「トランプはマフィアの会計士みたいにズルをする」と述べ、トランプ氏が主張する数々のトーナメント優勝歴についても「ベルヴィータチーズ(アメリカの人工チーズ)のように偽物だ」と酷評している。今回のスコットランドでの映像についても、ライリー氏は自身のX(旧Twitter)に「個人的には本当に彼にガッカリしています」と投稿し、失望感を露わにしている。
社会的反響とホワイトハウスの動き
SNSでは他にも、「政治の世界でも同じ手口を使っているのでは」「これがクラブ選手権30回優勝のカラクリ」「自分のゴルフ場でさえズルをしなきゃいけないのか」など、今回の件がトランプ氏の他の行動と結びつけて批判するコメントが多数見受けられる。ハフポストUS版は、この映像に関するコメントをホワイトハウスに求めている状況だ。
今回の疑惑は、ゴルフの基本原則とスポーツマンシップに対する問いを投げかけるだけでなく、公人としての行動規範についても議論を呼んでいる。今後のホワイトハウスからの公式なコメントが注目される。