連日続く異常な暑さが、統計データによってその深刻な状況を浮き彫りにしています。気象情報会社ウェザーニュースの独自予測によると、今年7月の日本の平均気温は平年を2.9度も上回り、観測史上最高を大幅に更新する見通しです。このような極度の酷暑が続く中、『百日咳』や『新型コロナウイルス感染症』といった感染症の患者数が全国的に増加傾向にあり、国民の健康への警鐘が鳴らされています。
7月の平均気温、観測史上最高を大幅更新へ
7月29日、東京都心では昼過ぎに気温が36度を超え、今年最高の猛暑日を記録しました。さらにこの酷暑は、予期せぬトラブルを引き起こしています。世田谷区では一時、1800軒以上が停電に見舞われ、オール電化の住宅ではシャワー中に水が止まるなど、室温が30度を超える中で住民は困難に直面しました。停電の原因は、工事用クレーンが電線に接触したこととされています。また、群馬県桐生市では40度に迫る危険な暑さを観測しました。
日本の7月平均気温、過去最高を記録する酷暑の予測図
夏本番を迎え日々の最高気温が更新されることは珍しくありませんが、今年の異例な点は、7月の月間平均気温が過去最高を大幅に更新する見込みであることです。ウェザーニュースが今月の平均気温を独自に推定した結果、平年より2.9度も高いことが判明しました。これにより、6月の平均気温も過去最高だったため、2カ月連続で記録を更新する見通しとなります。実際に7月29日も全国の3分の1を超える322地点で猛暑日となり、これは過去最多の地点数です。
酷暑下で増加する感染症：「百日咳」と「新型コロナ」が同時流行
誰も経験したことのないような厳しい夏が予想される中、国民の健康を脅かす事態も進行しています。特に懸念されるのが『百日咳』の流行です。百日咳は激しい咳が続く細菌性の感染症で、乳児が感染すると重症化し、最悪の場合は死亡する恐れもあります。全国の医療機関から報告された直近1週間の患者数は3908人に達し、5週連続で過去最多を更新しました。都道府県別では、東京都が最も多くの感染者を出しています。
また、『新型コロナウイルス感染症』の感染者数も全国的に5週連続で増加しており、直近1週間の報告数は1万人を超えました。クリニックでは、病み上がりに別の感染症にかかる患者が目立つとの報告もあり、例えば百日咳から間もなく新型コロナに感染するといったケースも見られます。立て続けに感染症にかかる患者が多い理由について、伊藤博道院長は「脱水傾向にある人が多く、回復に必要な食事や水分摂取が十分にできていないのではないか」と指摘しています。
専門家が語る感染予防と熱中症対策の重要性
この未曾有の酷暑と感染症の同時流行という状況において、専門家はより一層の健康管理と予防対策の徹底を呼びかけています。特に、暑さによる脱水症状は免疫力の低下を招きやすく、感染症への罹患リスクを高める可能性があります。こまめな水分補給はもちろんのこと、バランスの取れた食事で栄養をしっかり摂り、十分な休息を確保することが重要です。
また、屋内外での熱中症対策として、エアコンの適切な使用、涼しい場所での休憩、塩分補給などを心がけましょう。感染症予防に関しては、手洗い、咳エチケットの徹底、必要に応じたマスク着用、混雑を避けるなどの基本的な対策を改めて見直す必要があります。自身の健康だけでなく、周囲の人々への配慮も忘れず、この困難な夏を乗り切るための行動が求められています。
まとめ
日本の7月の平均気温は観測史上最高の更新が確実視され、記録的な酷暑が続いています。この厳しい環境下で、『百日咳』と『新型コロナウイルス感染症』という二つの主要な感染症が同時期に全国的に増加傾向にあり、国民の健康はかつてない脅威に晒されています。脱水症状が免疫力低下の一因となる可能性も指摘されており、熱中症対策と感染症対策の両面から、一人ひとりがより一層の予防意識と行動を徹底することが不可欠です。
参考文献
- Yahoo!ニュース: 「7月平均気温が過去最高更新へ 酷暑の中『新型コロナ』『百日ぜき』増加傾向」 (https://news.yahoo.co.jp/articles/ffaa00db937d704bc949cda0b09d3931698e6031)
- ウェザーニュース: 天候に関する独自予測データ
- 東京都および各都道府県の感染症情報センター発表データ
- 伊藤博道院長の専門的見解
