【ロンドン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は28日、英北部スコットランドのターンベリーでスターマー英首相と会談した。
トランプ氏は会談の冒頭、記者団に対し、パレスチナ自治区ガザでの人道危機に関し「ガザの子供たちは腹を空かせているようだ。彼らへの食料供給と安全が確保されなくてはならない」と指摘。欧州連合(EU)が支援を拡大する見通しであることを明らかにするとともに、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスに対して改めて停戦を要求した。
また、イスラエルが支援物資の搬入制限を実施している問題では「イスラエルには違った方策を取るよう求めた」と語った。
ロシアによるウクライナ侵略戦争に関しては、停戦に応じようとしないプーチン露大統領に「非常に失望した」と述べ、停戦実現に向けて先にプーチン氏に向けて提示した50日間の猶予期間を「短縮させる」と表明した。新しい期限には言及しなかった。
米英首脳は、ガザやウクライナに加え、5月に両者が合意した貿易交渉について話し合う。スターマー氏は合意のうち履行が遅れている鉄鋼の追加関税の引き下げを求める見通し。