ドナルド・トランプ前米大統領は28日、英北部スコットランドの自身のゴルフリゾートでスターマー英首相と会談した際、風力発電に対する従来の批判を改めて強調しました。彼は風力タービンを「恥ずべき存在」と厳しく非難し、その設置が不動産価値や海洋生物、ひいては環境全体に悪影響を及ぼすと主張。また、「存在する中で最も高コストのエネルギー」だと述べ、英国のエネルギー価格高騰の主要因であると指摘しました。
風力発電への具体的な批判点
トランプ氏は、風力発電は「醜悪で、非常に非効率」であり、「触れるもの全てに害を及ぼす」と述べています。特に、家から見える場所に設置されると不動産価値が50%以上下落すると警告。さらに、沖合の風力発電機は騒音を発し、海洋生物、特にクジラに深刻な悪影響を与え、以前の約9倍ものクジラが岸に打ち上げられていると主張しました。彼は、風力発電所は「補助金なしでは存在しえない」ほど莫大な費用がかかる非収益性の事業であり、英国の高いエネルギーコストの原因となっていると断言しています。
スコットランドのゴルフリゾートで風力発電について語るドナルド・トランプ前米大統領
北海油田開発の重要性とエネルギー政策への提言
トランプ氏は、風力発電を批判する一方で、英国が北海沿岸の油田を開発すべきだと強く提言しました。彼は、自身がゴルフをした場所のすぐ近くに莫大な埋蔵量の原油が存在するにもかかわらず、政府がその採掘をほぼ不可能にしている状況を「狂気の沙汰」と批判。世界有数の油田地帯を活用できない現状を嘆き、醜悪な風力タービンが英国中、そして世界中に乱立していることに対し、「理解しがたい。誰も望んでいない」と述べています。
スコットランドの海岸線に並ぶ風力タービンと周辺の風景
また、トランプ氏は風力発電業界の強力なロビー活動を問題視しつつも、「ようやく封じ込めつつある」と自身の取り組みに言及。風力は「劣悪なエネルギー」で、見た目が悪いだけでなく「鳥を殺す」極めて問題のある存在だと指摘しました。そして、原油や他のエネルギー源であれば利益が生じ、減税にもつながると強調し、実際に風力タービンの「撤去が始まりつつある」という見解を示しました。
まとめ
トランプ前米大統領の風力発電に対する一連の批判は、その経済性、環境への影響、そして代替エネルギー源の可能性に焦点を当てたものです。彼は風力発電が「高コストで非効率」であり、「海洋生物や不動産価値に悪影響を与える」と繰り返し主張し、北海油田のような在来型エネルギー源の活用を強く訴えています。この発言は、世界的なエネルギー政策や再生可能エネルギーへの取り組みに一石を投じるものとなるでしょう。