小野田紀美経済安保担当大臣、記者との“攻防”激化 – 旧統一教会から中国レアアースまで

小野田紀美経済安保担当大臣(43)と特定のフリーランス記者の間で繰り広げられる定例閣議後会見での緊張関係が、最近特に顕著になっている。閣僚としての職務と記者の執拗な質問が交錯する中、会見場は時に緊迫した雰囲気に包まれる。この一連の“攻防”は、旧統一教会問題から経済安全保障における中国レアアースへの依存問題まで多岐にわたり、小野田大臣の毅然とした姿勢が際立つ形となっている。

12月19日の会見:「あなたの意見を語る場ではございません」

12月19日に行われた定例閣議後の会見では、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)への高額献金を巡る訴訟に関連し、元信者の娘が教団側に賠償を求めた裁判についての質問が飛び出した。これに対し小野田大臣は、「何もコメントはございませんし、この場は私の所管に関すること、省庁の意見を所管の大臣としてお話する場であり、あなたの意見を語る場ではございません」と、怒りをにじませながらもきっぱりと制した。このやりとりは、大臣が記者の個人的な意見表明の場ではないことを明確に示したものだ。

安倍元総理銃撃事件への質問:11月の「一生つきません!」

実は小野田大臣とこの記者との間の緊張は、今回が初めてではない。11月の記者会見後にも、同じ記者から「安倍晋三元総理の銃撃事件について心の整理はつきましたか?」という非常に個人的な質問が投げかけられたことがある。その際、小野田大臣は「一生つきません!」と感情を込めて答え、その気迫に押された記者が「はい、すみませんでした……」と謝罪する一幕があった。この一件は、両者の間に“犬猿の仲”とも言える関係性が存在することを浮き彫りにした。

小野田紀美経済安保担当大臣が記者会見で質問に答える様子小野田紀美経済安保担当大臣が記者会見で質問に答える様子

レアアース問題で再び激論:中国依存からの脱却と経済的損失

そして、12月23日に行われた定例閣議後の会見で、再び両者の“バトル”が勃発した。記者は、中国からのレアアース輸入停止による損害額の推計を元に、「莫大な損失が出るのを知った上で、すぐに経済的威圧をかける中国依存からの脱却を訴えられたのでしょうか。認識していたんでしょうか」と質問。これに対し小野田大臣は、個別の推計に関するコメントは差し控えるとしつつ、「我が国としても他国としても、経済安全保障におけるサプライチェーンリスクは常に考えておりますし、対応していくことはどの国もやっていることで、当たり前のことを申し上げただけでございます」と冷静に回答した。

しかし記者は食い下がって質問を続け、具体的な経済的損失の認識や、輸入停止による損失が半減するまでの期間について執拗に問いかけたが、大臣は「仮定にはお答えは差し控えます」「具体的なことは申し上げられません」と、明確な回答を避けた。これは、具体的な数字を公にすることのリスクと、経済安全保障担当大臣としての一般的な見解を述べるに留めるという姿勢の表れとみられる。

支持率優先ではない:大臣の反論と今後の見通し

求める回答が得られなかった記者は、最後に質問を大きく転換。「結局、高市政権は対中国強硬姿勢を貫くことで高支持率をキープするのを優先しているんじゃないかと。国民生活は二の次、内閣支持率ファーストのように思えるのですが違いますか?」と挑発的な問いを投げかけた。この質問に対し、眉間にシワを寄せながら聞いていた小野田大臣は、「ちょっと何を言ってるか分からないんですが」と呆れた表情を見せつつ、「我々は常に、日本国のための政策を前に進めることしか考えておりませんので、支持率を考えて政策をしている人はいないと思います」と明確に反論した。

小野田大臣と特定の記者との間の攻防は、閣僚の職責の重さと、質問を通じて多角的な情報を引き出そうとする記者の役割が衝突する典型的な例と言える。今後も定例会見の場で、両者の「ピリついたやりとり」が続く可能性は高いだろう。