ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日、首都キーウで7月30日夜から31日未明にかけて発生したロシア軍による大規模攻撃の死者が、子ども5人を含む31人に達し、負傷者も159人に増加したと発表しました。この残忍な攻撃は、ウクライナにおける民間人犠牲の深刻さを改めて浮き彫りにしています。
キーウ大規模攻撃の甚大な被害とゼレンスキー大統領の非難
今回のキーウ攻撃では、ミサイルが直撃し崩落した集合住宅などから多数の遺体が見つかり、犠牲者の中にはわずか2歳の子どもも含まれていました。ゼレンスキー大統領は、今回の攻撃を「卑劣な攻撃」と厳しく非難し、国際社会に対し「再び、一層の対露圧力と制裁が必要だということを示している」と強く訴えかけました。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、民間施設への攻撃は国際的な非難を浴びています。
ロシア軍のキーウ攻撃で崩壊した集合住宅で、生存者や犠牲者を捜索する救急隊員
ロシア軍の新型ドローン投入とウクライナの警戒
ウクライナのウニアン通信によると、イーホル・クリメンコ内相は31日、ロシア軍がキーウ攻撃に新型のエンジンを搭載したドローン(無人機)を投入したとの見方を示しました。この新型無人機は、イラン製無人機「シャヘド」を改良したものとみられ、従来の数倍のスピードとなる時速500キロ・メートル以上で飛行できるとされています。ウクライナ側は、ロシアが兵器を改良し、攻撃能力を高めていることに警戒を強めています。
米国の反応:トランプ氏特使の訪露とプーチン氏への非難
米国のトランプ大統領は31日、スティーブン・ウィトコフ中東担当特使が近くロシアを訪問すると明らかにしました。これは、米国が対露制裁を強化するまでの猶予期限として示した8日までに、ロシア側がウクライナとの停戦に応じるよう迫るための動きとみられています。トランプ氏はまた、「ロシアのやっていることは本当に最低だ」と述べ、ウラジーミル・プーチン露大統領がウクライナへの攻撃を続けているのは「恥ずべきことだ」と強く非難しました。国際社会は、キーウへの度重なる攻撃に対し、ロシアへの圧力を強化する姿勢を示しています。