イスラエル首相、ハマス公開の人質映像に「深い衝撃」— 解放へ尽力強調

【AFP=時事】イスラム組織ハマスなどが先週公開した、イスラエル人質2人の映像に対し、ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相は深い衝撃を表明しました。首相府は2日夜、首相が人質の家族と面会した際にこの心情を伝えたことを発表しました。この新たな映像の公開は、イスラエル国内で人質解放への圧力をさらに高めています。

ハマスが公開した人質映像の内容とイスラエル国内の反応

ハマスとイスラム聖戦は先週以降、2023年10月7日の越境攻撃で拘束した人質に関する動画を3本公開しました。これらの映像には、約22か月にわたり拘束されているロン・ブラスラフスキさん(21)とエビアタル・ダビドさん(24)の姿が収められています。映像に映る2人は、いずれも明らかに憔悴しており、栄養失調の状態にあるように見えます。特にブラスラフスキさんは、ドイツとイスラエルの二重国籍保持者です。

これらの人質映像が公開されると、イスラエル国内では瞬く間に大きな注目を集め、即時停戦と人質全員の解放を求める声が再び高まっています。人道危機が深刻化するガザ地区の状況も相まって、国民の間の政府に対する強い行動要請へと繋がっています。

イスラエル首相ネタニヤフ氏、ハマス人質問題への対応イスラエル首相ネタニヤフ氏、ハマス人質問題への対応

ネタニヤフ首相の対応とガザ人道状況への懸念

ネタニヤフ首相は、テロ組織ハマスとパレスチナ・イスラム聖戦が公開した映像に「深い衝撃」を受けたと述べ、同時に「すべての人質を取り戻すための努力は継続的かつ絶え間なく行われている」と人質の家族に直接伝えました。これは、政府が人質問題に真摯に取り組んでいる姿勢を示すものです。

映像が公開された同日には、沿岸都市テルアビブに数万人規模の市民が集結し、ネタニヤフ政権に対し、人質解放に向けた具体的な行動を強く要求するデモが行われました。これは、イスラエル社会全体が人質問題に対して抱く切迫感と怒りの表れと言えるでしょう。

ハマスらが公開した映像の中では、国連の専門家が「飢きんが進行中」と警告しているガザ地区の厳しい人道状況についても言及されています。首相府によると、ネタニヤフ首相は2日、両家族と「長時間」にわたって面会し、ハマスの「残虐性」を強く非難しました。さらに首相は、ハマスが「意図的に人質を飢えさせ、冷酷かつ悪意ある方法で記録している」と厳しく批判し、彼らの非人道的な行為を強く糾弾しました。

結論

ハマスが公開した衝撃的な人質映像は、イスラエル国内で大きな波紋を広げ、人道的な懸念と即時解放への強い要求を再燃させています。ネタニヤフ首相は、この映像に深い衝撃を受けたと表明し、人質全員を救出するための継続的な努力を強調しました。イスラエル国民のデモは、政府への具体的な行動を求める強いメッセージであり、国際社会もまたガザ地区の人道状況と人質問題の解決に注目しています。

参考文献