日帝強占期の強制徴用被害者の遺族が日本製鉄を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、現職の判事が訴訟代理人を務め、注目を集めている。
ソウル中央地裁民事211単独のキム・スンゴン部長判事は今年6月、強制徴用被害者Aさんの息子が日本製鉄を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、被告に対して原告に1億ウォンを支払うよう命じる原告勝訴の判決を下した。原告の訴訟代理人は、A氏の孫にあたる現職判事が個人の資格で務めた。
民事訴訟法88条によると、単独判事が審理・裁判する事件で、その訴訟の目的の金額が一定以下なら、当事者が密接な生活関係を結んでいて一定範囲内の親族関係にある人は裁判所の許可を得て訴訟代理人を務めることができる。今回の訴訟では、請求額が1億ウォン以下であるうえ、訴訟を代理した判事が当事者と4親等以内の親族関係にあるため、裁判所が訴訟代理を認めたとみられる。
1922年に生まれたAさんは1944年4月ごろ、福岡県にある日本製鉄の作業所で強制労働に苦しめられ、解放後に帰国。Aさんは2015年に死亡したが、Aさんの息子は2019年3月に日本製鉄を相手取って1億ウォンの賠償を求める訴訟を起こした。
この事件も他の強制徴用訴訟と同様、消滅時効が争点となった。裁判所は、強制動員被害者の賠償請求権の消滅時効の計算の起点を2018年と判断した2023年12月の最高裁判決の趣旨に沿って、原告勝訴の判決を下した。
イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )