安野貴博氏の初登院スーツに注目:「国会議員の身だしなみ」が問われる背景

8月1日、臨時国会が召集され、7月の参院選で初当選を果たした新人議員たちが初登院しました。その中でも特に注目を集めたのが、「チームみらい」の党首である安野貴博氏(34)のスーツ姿です。国会議事堂前に新調したばかりの紺色のスーツで登場した安野氏の写真が党の公式X(旧Twitter)で公開されると、その「着こなし」について賛否両論の声が寄せられ、「国会議員の身だしなみ」というテーマが改めて議論されるきっかけとなっています。

「チームみらい」安野氏、強烈なインパクトを残した経緯

安野貴博氏は、昨年7月投開票の東京都知事選に出馬し、30代の立候補者としては史上最多となる約15万票を獲得し、その名を広く知らしめました。この都知事選の際に安野氏を支援するために集まったメンバーを中心に、新党「チームみらい」は今年5月に設立されました。そして、今回の参院選比例代表では約150万票を獲得し、安野氏が念願の1議席を得ることになりました。

選挙戦中はポロシャツやTシャツといったカジュアルな服装で活動することが多かった安野氏ですが、初登院のこの日は一転、真新しいスーツに身を包んで臨みました。このスーツ姿がSNS上で大きな反響を呼んだのです。

SNSで賛否両論を呼んだ「スーツの着こなし」

チームみらいの公式Xに投稿された安野氏の国会議事堂前での写真に対し、リプライ欄ではジャケットやワイシャツの袖丈が長いことへの指摘が殺到しました。

初登院の臨時国会で紺色のスーツを着用した「チームみらい」党首の安野貴博氏。長めの袖丈が話題となった。初登院の臨時国会で紺色のスーツを着用した「チームみらい」党首の安野貴博氏。長めの袖丈が話題となった。

多くの意見は好意的なものでした。「大学の入学式みたい笑 フレッシュで良き」「安野さん、高級スーツとか自分のためにお金使うことに、あまり興味なさそう笑」「スーツの新入生感www」といったコメントからは、安野氏の飾らない人柄や、新鮮さを評価する視点が伺えます。

一方で、「ちょっと着こなしがもったいないと思います…さすがにその歳ではダメかなと」「だらし内閣と揶揄されたように、政治の本質と別とはいえやはり見た目大事ですから…」「イメージ戦略としては皆さんおっしゃる様に頭髪の乱れ、スーツの着丈など改良の余地がありそうです。気にしないのが理系あるあるだと思いますが、損をしない様にして欲しいです」など、TPO(時と場所と場合)に合わせた服装の重要性を指摘する声も寄せられました。

政治家の「身だしなみ」が重要視される理由

政治ライターは、スーツの着こなしにおける一般的なマナーを指摘しています。スーツの袖丈は腕を自然に下ろした際に、親指の先端から11~12cmの位置に袖口がくるのが理想とされ、ワイシャツはジャケットの袖口から1~1.5cm程度見えるように調整するのが望ましいとされています。安野氏のスーツの袖丈は手の甲を覆うほど長く、この基準から見ると「だらしない印象」を与えかねないという見方があります。SNSに寄せられた指摘の多くは、安野氏やチームみらいの支持者からのものと考えられ、彼らの期待と懸念が反映されています。

昨年、東京都知事選の際にも、安野氏のポニーテールやラフな格好での演説・ビラ配りに対し、「清潔感がない」「高齢者や女性受けが悪い」といった身だしなみに関する批判がSNSに集中した経緯があります。支持者たちは、安野氏がどれほど立派な政策やビジョンを掲げていても、それとは直接関係のない「見た目」の部分で評価を落としてしまうのは惜しいと感じているのでしょう。政治家にとって、国民の信頼を得る上で、政策や理念はもちろんのこと、その人物像を形作る「身だしなみ」もまた、重要な要素であると認識されています。

まとめ:伝統と刷新の間で問われる国会議員の姿

初登院の日、安野氏は集まった記者団に対し、「良くも悪くも永田町のしがらみを知らない。良いものは吸収、継承し、時代に合わせて変えるべきは変えていく。しがらみなく行っていける立場だ」と、新たな国会議員としての抱負を語りました。

この言葉は、既存の政治の枠組みにとらわれない安野氏の姿勢を表していますが、スーツの着こなしに関しては、むしろ「昔からの伝統」を継承してほしいと支持者たちは望んでいるようです。今後、安野氏が国会議員としてどのように活動し、自身の「身だしなみ」に対する意識にどのような変化を見せるのか、注目が集まります。


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