政治とカネをめぐる問題で閣僚を辞任した自民党の菅原一秀前経済産業相、河井克行前法相が臨時国会閉会日の9日、いずれも衆院本会議を欠席した。2人は説明責任を果たすことを約束していたが、公の場に現れない状況が続く。河井氏辞任の発端となった妻の案里参院議員も姿をみせておらず、野党だけでなく与党からも説明を求める声があがっている。
菅原、河井両氏は9月11日の内閣改造で経産相と法相にそれぞれ就任した。しかし、菅原氏は地元有権者の通夜で公設秘書が香典を渡した問題を受け10月25日に辞任。河井氏も7月の参院選で案里氏陣営が運動員に法定の上限額を超える報酬を渡していたとの疑惑を報じられ、10月31日に辞任した。
菅原氏らは疑惑に関して「説明責任を果たす」と記者会見などで言及したが、辞任後、国会には姿を見せず、説明もしていない。
公明党の斉藤鉄夫幹事長は「疑惑を持たれている以上、説明責任を果たしてほしい」と要求。共産党の志位和夫委員長は「説明責任を果たさず国会を逃げ切ろうとするとは、自民党のモラルは終わっている」と批判する。
案里氏は閉会日が間近に迫った今月6日、自民党の世耕弘成参院幹事長に「適応障害」のため1カ月の療養が必要との診断書を秘書を通じて提出した。
与党内には、説明がないまま来年1月召集の通常国会を迎えれば「野党の追及材料にされる」(自民中堅)との懸念がある。与党幹部は「早いタイミングでやらなければ(公の場に)出るに出られなくなる」と指摘している。