連日35度を超える猛暑が続く中、石破茂首相は政権運営を巡る葛藤の中で眠れぬ夜を過ごしていると報じられています。自身の進退が取り沙汰される中、首相の心境が周囲に語ったオフレコの肉声から明らかになりました。特に、森山裕党幹事長の去就が、石破政権の命運を左右する重要な要素となっていることが浮き彫りになっています。一方で、“保守復権”を掲げ、ポスト石破の最右翼と目される高市早苗前経済安保相も、党内では厳しい状況に置かれているとされます。
石破首相の「オフレコ肉声」が明かす本音
石破首相は、自身の続投と退陣の間で揺れ動く本音を隠さず語っています。「森山さんが辞める時は、私が辞める時です。森山さんのおかげで10カ月やってこられたのだから――」この言葉は、首相が森山幹事長に対してどれほどの信頼と依存を寄せているかを示しています。森山幹事長は先の両院議員懇談会で参議院選挙の総括後の辞任を示唆しており、首相が重要な政策決定や党内調整の場面で幹事長に深く頼り切っている現状が伺えます。石破首相は、その驚異的な粘り腰で宰相の座に居座り続けていますが、森山氏の動向が自身の政治生命に直結すると深く理解しています。
また、石破首相は静岡県伊東市の田久保眞紀市長が学歴詐称疑惑を受けて辞意を表明した後に撤回し、批判を浴びている状況を引き合いに出し、「伊東の市長と一緒にされてたまるかよ、みたいな感じがしますけどね。しがみついているって、一緒に見えるらしいよ」と、自身が「しがみついている」と批判されることへの強い不快感と反発を示しています。
さらに、両院議員懇談会で石破首相の責任を問う声が大勢を占める中、数少ない「続投容認」の声を上げた面々に対し、首相は意を強くしている様子です。「ああいうところで人間の真価がよく分かる。船田さん、鈴木宗男さん、稲田朋美さんとかね。真っ当なことを言ってくれる人はいますよ」と、船田元・元経済企画庁長官や鈴木宗男参議院議員、さらには裏金問題で清和会(旧安倍派)にも責任があると言及した稲田朋美元防衛相の存在に言及しています。
石破茂首相の最新動向と政権運営の課題を示す姿
政権の「守護神」森山幹事長の複雑な胸中
石破首相が最も気に掛けているのは、政権の「守護神」ともいえる森山幹事長の言動でしょう。自民党関係者によると、森山幹事長は最近、親しい関係者に対し、あるSNSの投稿を披露しているといいます。その投稿は「デマを流して議席を取った人間に政治を任せられないので、石破首相や森山幹事長は辞められない」という内容で、森山幹事長はこれを示しながら「党内と世論の空気は違いますよ」と、自身の去就について含みを持たせています。
しかし一方で、森山幹事長は「幹事長の代わりはいくらでもいますが、総理の代えはいません」とも発言しています。これは、石破首相を支える姿勢を示しつつも、幹事長自身は自身の責任を取る考えに変わりがないとも受け取れる、多義的なメッセージです。この発言は、幹事長というポストの代替可能性と、首相という存在の唯一性を対比させることで、自身の役割を再定義しつつ、政権全体の安定性への配慮を示すものと解釈できます。
緊迫する政権の行方と森山幹事長の決断
石破首相の政権は、森山幹事長の去就という不確定要素によって、極めて不安定な状態にあります。首相自身が森山氏の存在に深く依存していることを認める一方で、幹事長自身の発言は、自身の責任論と首相への支援という二つの側面を持ち合わせています。森山幹事長が最終的にどのような判断を下すのか、そしてそれが石破首相の政治生命と政権運営にどのような影響を与えるのか、日本政治の行方に大きな注目が集まっています。
森山幹事長の決断は、単なる一人の政治家の進退に留まらず、石破政権全体の安定性、ひいては今後の自民党の勢力図にまで影響を及ぼす可能性があります。両者の関係性が、今後の政局の最も重要な焦点となるでしょう。
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