坂口涼太郎、初の著書で明かす「芸術的才能を育んだ両親の驚くべき教育術」

俳優の坂口涼太郎さんが、自身初の著書となるエッセイ集『今日も、ちゃ舞台の上でおどる』を刊行しました。映画『ちはやふる』シリーズでの活躍や、現在放送中の連続ドラマ『愛の、がっこう。』出演など、その演技力と独特の存在感で注目を集める坂口さん。幼少期からエンターテインメントの世界に憧れを抱いてきた彼が、一体どのような家庭環境で育ち、その才能が開花していったのか。両親から受けた影響、そして著書に込めたメッセージについて語ります。

エッセイ執筆への挑戦と葛藤

今回、初の著書執筆オファーを受けた坂口さんは、「素直に嬉しかった」と当時の心境を振り返ります。日本国内で発行される全ての書籍が納められる国立国会図書館に自身の本が並ぶことを想像し、期待に胸を膨らませたと言います。しかし、すぐに「一体、誰が読むのだろう?」という不安に襲われたとも明かしました。大型書店のタレント本コーナーに並ぶ、写真も文章も輝くような作品群を目の当たりにし、「自分が入り込む隙がない」と感じたそうです。だからこそ、無理に自分を取り繕うのではなく、自身の「恥部をさらけ出し、多くの読者が親近感を抱きながら笑って読めるようなエッセイにしたい」との強い思いで執筆に臨みました。

芸術的才能を育んだ両親の教育方針

坂口さんが生まれて初めて発した言葉が「きれいね」だったというエピソードや、幼い頃からちゃぶ台の上で歌って踊ることが好きだったという話は有名です。彼の芸術的な才能を支えてきたご両親は、一体どのような人物だったのでしょうか。坂口さんは「父はこだわりが強く、母は朗らかな人。そして私は両方の要素を受け継いでいる気がする」と語ります。例えば、今回の本執筆においても、文章の字詰めやレイアウトに細かな注文を出してしまうのは、何事も自分なりの美学を追求する父の性分に似ていると感じているそうです。また、初めての書籍執筆オファーに「私ならできるでしょ!」と楽観的に考えられたのは、母から受け継いだ楽天主義の血が流れているからだと分析しています。

坂口涼太郎、初の著書で明かす「芸術的才能を育んだ両親の驚くべき教育術」俳優・坂口涼太郎氏が初の著書『今日も、ちゃ舞台の上でおどる』について語る。

「やりたい」を後押しする親の姿勢

3歳からピアノを習い始め、中学生からはダンススタジオに通い始めた坂口さんですが、ご両親は彼の「やりたい」という気持ちを積極的にサポートしていたのでしょうか。彼は「幼い頃から両親がミュージカルやコンサートに連れ出してくれた影響もあり、私は歌うことが好きでした。その反応を見て、両親は私が覚悟を決めて『やりたい』と言い出す前に、『やってみなさい!』と言ってくれるタイプでした」と語ります。時には、有無を言わさずピアノ教室を予約し、逃げ道をなくされてしまうような形だったとも。今の坂口さんがあるのは、両親が幼少期から多様な音楽や芸術に触れる経験を積ませてくれたおかげだと感謝しています。

親が環境を整えても、習い事が続かないケースは少なくありません。しかし、坂口さんのご両親から「もっと頑張りなさい」「せっかく始めたのだから続けなさい」といったプレッシャーを与えられることは一切なかったと言います。「私がやりたがっていることに関して最初の一歩を踏み出すサポートをしてくれただけで、その後は黙って見守ってくれました」と坂口さん。ピアノは続けるもののあまり上達せず、発表会のたびに失敗し、中学を卒業する頃には練習しなくなり、せっかく買ってもらったアップライトピアノも手放したそうです。それでも高校生になり「やっぱり、ピアノが必要」と気分屋な発言をするなど、両親を散々振り回しながらも、期待を裏切り続けてきたと笑います。

幼少期のコンプレックスと次なる示唆

そんな坂口さんは、5歳の頃に重度のアトピー性皮膚炎に悩まされ、自身の容姿にコンプレックスを抱いていた時期があったそうです。次回は、坂口さんの「見た目」に対する考え方について深掘りします。

坂口涼太郎 プロフィール

1990年8月15日生まれ、兵庫県出身。特技はダンス、ピアノ弾き語り、英語、短歌。連続テレビ小説「おちょやん」「らんまん」(NHK)、映画「ちはやふる」シリーズ、「アンダーニンジャ」、ドラマ「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ系)、海外ドラマ「サニー」(Apple TV+)など、数々の話題作に出演。また、「あさイチ」(NHK)では唯一無二のキャラクターで存在感を発揮し、「ソノリオの音楽隊」(NHK Eテレ)では主演兼振付師として活躍。シンガーソングライターとしても活動し、独創的なファッションやメイクも度々話題を呼んでいます。


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