オリックス・バファローズの広報戦略:ファンを惹きつける「球界初」の秘訣

プロ野球・オリックス・バファローズは昨年、主催公式戦の入場者数が200万人を突破(214万9202人)し、年々ファン層を拡大しています。この目覚ましい成功の裏には、革新的な広報戦略が大きく貢献しています。ファンを魅了し続けるユニークな企画を連発できる秘訣は何なのか。今回は、オリックス野球クラブ株式会社の広報宣伝部に所属する、広報宣伝部長の後藤俊一氏、広報宣伝部プロジェクトマネージャーの花木聡氏、西田光氏へのインタビュー後編として、その具体的な取り組みと哲学に迫ります。

オリックス・バファローズの広報戦略について語る関係者オリックス・バファローズの広報戦略について語る関係者

ユニークで斬新な企画の推進

「キングオブコンビ」や「Bsオリ姫デー」など、オリックス・バファローズは多彩な企画で既存ファンだけでなく、他球団ファンをも惹きつけています。これらの魅力的な企画を立案する上で、球団が特にこだわっているのが「球界初」というコンセプトです。他球団とは一線を画す、尖った新しい取り組みを常に模索する文化が、オリックスには深く根付いています。

球界初のダンス&ヴォーカルユニット「BsGirls」の誕生

その象徴的な例が、2014年に誕生した『BsGirls』です。エイベックスとのコラボレーションによって生まれたこのユニットは、球界初のダンス&ヴォーカルユニットとして注目を集めました(2024年からは球界初の男女混成パフォーマンスグループ『BsGravity』として活動中)。一般的なチアパフォーマーが主流のプロ野球界において、歌唱を取り入れたパフォーマンスグループはまさに革新的な存在でした。後藤氏は、「売り込みではなく、球団側からエイベックスさんにコラボを持ちかけました。両手にポンポンを持ってダンスをするチアパフォーマーはどこの球団にもいます。僕らはそういうものから逸脱し、尖った新しいことをしていこうと。そういう思惑をエイベックスさんと共有し、作り上げました」と、既存の枠にとらわれない姿勢を強調します。

じゃがいも持参で割引「じゃがいもデー」のユニークな発想

もう一つ、そのユニークさと斬新さで話題となったのが、じゃがいも持参で当日の試合観戦チケットの価格がお得になる『じゃが割チケット』の販売を核とした『じゃがいもデー supported by カルビー』です。カルビー株式会社が特別協賛社となって開催されており、その発想の源は意外なところにありました。花木氏は、「毎日放送(MBS)のお天気コーナーで放送されていた『じゃがポテ仮面』というユニークなキャラクターがいました。オリックスのユニフォームを着たじゃがポテ仮面のアニメを制作してもらったりもしていたので、じゃがポテ仮面を呼んで何かイベントをしようということになったんです。それで、『じゃがいもを持ってくると割引というのは面白いんじゃないの?』というアイディアが出て、2012年からスタートさせました」と語り、日常のユニークな要素を柔軟に取り入れる姿勢を示しています。

絶え間ない挑戦が生むファンとの絆

オリックス・バファローズの広報戦略は、「球界初」を追求する絶え間ない挑戦によって支えられています。BsGirlsやじゃがいもデーに代表されるような、既存の常識を打ち破るユニークな取り組みが、ファンに新鮮な驚きと喜びを提供し、深いエンゲージメントを生み出しています。このような革新的な姿勢こそが、オリックスのファン層を拡大し、球界における独自の地位を確立する大きな原動力となっていると言えるでしょう。

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