「石破おろし」の動きが加速している。8日に開催された自民党両院議員総会では、出席者から総裁選の前倒しを求める意見が相次いだ。有村治子参院議員(両院議員総会長)は、石破茂総裁(首相)の任期満了である2027年9月を待たずに、総裁選を前倒しで実施するかどうかの党内手続きを総裁選管理委員会(逢沢一郎衆院議員が委員長)に委ねることを決定。これにより、総裁選前倒しの検討の行方に注目が集まっているが、石破首相には「秘策」があるとの見方も出ている。
「総理のリコール」現実味?高まる石破首相への反発
一昨年の衆院選に続き、先の参院選でも自民党が大敗を喫し、衆参両院で与党が過半数を割り込んだにもかかわらず、石破首相が辞任しないことへの党内の反発は日増しに強まっている。
石破首相は8日、「引き続き日本国に責任を持って参りますために、いろいろなご意見を承りたい」と述べ、改めて続投の意思を表明した。しかし、これに対して党内からは異論が噴出。結果として、総裁選管理委員会が党所属国会議員と都道府県連の意思確認を行うことが決まった。この手続きは今後進められ、衆参両議長を除く党所属国会議員と47都道府県連代表の過半数が前倒しを求めれば、総裁選が実施されることになる。これは、まさに「総理のリコール」とも言える異例の事態である。一部の議員の発言からは、自民党の歴史上初めて、総裁選の前倒しが現実味を帯びてきたとの印象もある。
自民党両院議員総会で続投の意向を表明する石破茂首相
総裁選前倒しの党内手続きと今後の展望
総裁選前倒しの検討を担う総裁選管理委員会の逢沢一郎委員長は、「総裁選のプロセスを進めるうえで、その第一弾がクリアされた」という認識を示しつつも、慎重な姿勢を崩していない。逢沢委員長は、「(党内で予定されている参院選の)総括が済まないのに総裁選の手続きを進めるわけにはいかない。総括の日程を念頭に置きながら、議員の皆さんと47都道府県の考え方を確認する。タイミングについてはよく考えていく必要がある」と述べ、すぐに前倒しが行われるわけではないとの見方を示唆している。
長年自民党の政務調査役を務めた政治評論家の田村重信氏は、現在の状況について以下のように解説する。「旧安倍派や昨年の衆院選で落選した人々は、早く総裁選をやってほしいという思いが強く、『決まったも同然』と前のめりに発言している。しかし、お盆を挟むため、参院選の総括は8月末から9月はじめになるだろう。総裁選管理委員会の出番は、その後に訪れることになる」と語り、実際のプロセスには一定の時間を要するとの見方を示した。
結論
自民党内では、先の衆参両院選挙での敗北を受け、石破首相の続投に対する反発が強まり、総裁選の前倒しを求める声が顕在化している。総裁選管理委員会による党所属議員と都道府県連の意思確認という「総理のリコール」とも称される手続きが進行中である。しかし、手続きの責任者や政治評論家の見解からは、参院選の総括が優先され、総裁選の前倒しが即座に行われる可能性は低いことが示唆されている。石破首相の今後の動向、そして党内の権力闘争の行方が、今後の政局の焦点となるだろう。
参考文献:
- Yahoo!ニュース. (2025年8月13日). 石破おろしが加速している。自民党が8日に開いた両院議員総会では、出席者から総裁選の前倒しを求める意見が相次いだ。両院議員総会長の有村治子参院議員は、2027年9月の石破茂総裁(首相)の任期満了を待たずに、前倒し総裁選の実施の可否を決める党内手続きを進めるよう総裁選管理委員会(委員長・逢沢一郎衆院議員)に委ねることを決めた。総裁選前倒しの検討の行方が注目されるが、石破氏には“秘策”があるとの指摘もある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a5247e6daedc07ed5eaed2eeca19ba9b7f33348