休みの日になぜか疲れる?現代人が本当に休むための心と体の整え方

お盆休みやゴールデンウイーク、年末年始など、まとまった休日を迎えるたびに「せっかく休んだのに、なぜか体がだるい」「心からリフレッシュできていない」と感じることはありませんか。本来、休息は心身を回復させるためのものですが、現代社会ではかえって疲労が蓄積してしまうという矛盾に直面している人が少なくありません。

休日だからと、やりたいことを詰め込みすぎたり、外出先で疲れ果ててしまったり。あるいは、家でゆっくり過ごしているつもりでも、動画サイトを延々と見続けたり、SNSをぼんやり眺めたりすることで、脳が休まることなく働き続けているケースもよく見られます。このように、意識せずとも心と体が常に稼働している状態が、慢性的な疲労につながっているのです。「休みたいのに休めない」というこの現象は、個人の努力不足というよりも、文明が高度に発達した現代社会そのものが、心身の真の回復を妨げる構造になっているのかもしれません。では、「休む」とは一体どういうことなのでしょうか。私たちは「体」と「心」を分けて捉え、それぞれに適した休ませ方を実践することをおすすめします。

休日なのに疲れを感じる現代人の肖像。情報過多な社会での心身の疲弊と、リラックスできない状況を表す。休日なのに疲れを感じる現代人の肖像。情報過多な社会での心身の疲弊と、リラックスできない状況を表す。

体を「真に休ませる」ための3つの習慣

肉体の疲労を効果的に回復させるためには、「体にとって良いこと」を意識的に選び、実践する必要があります。たとえ自身の体が丈夫だと自負していても、日々の無理が積み重なれば、知らないうちに寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。体を労わる上で特に重要な「体にとって良いこと」は、大きく分けて以下の3点です。

1. 意識的な「食」の選択

まず一つ目は「食事」です。飽食の時代と言われる現代において、バランスの取れた食生活を送れている人は多くありません。休日になると、ごちそうを思い切り食べたくなる方もいらっしゃるでしょう。しかし、「消化」という行為は体にとって多くのエネルギーを消費する重労働であり、胃腸に大きな負担をかけます。フレンチのフルコースのような食事は、例えるなら体を酷使する「マラソン」と一緒です。前菜からデザートまでしっかり食べ切ると、消化器官はフル稼働し、食後の眠気は体が消化に集中している証拠といえます。つまり、ごちそうを食べた日は、体は休むどころか、普段以上の大きな負荷にさらされているのです。本当に体を休ませたいのであれば、「食べ過ぎない」「消化の良いものを選ぶ」、そして時には「思い切って食事を1食抜いてみる」といった選択も、疲れた体には必要な休息となります。

2. 疲労回復を促す「適度な運動」

二つ目は「運動」です。私たち人間も本来は動物であり、体を適度に動かすことは生命活動において不可欠です。運動不足は、体内の老廃物の滞留を招き、血流や代謝の低下につながります。筋肉はポンプのような役割を果たしており、体を動かすことで血液やリンパの流れが促進され、全身の循環がスムーズになります。疲れているときほど、「とにかく寝ていたい」「動きたくない」と考えがちですが、実は体を動かさないことが、疲労がなかなか抜けない要因の一つとなってしまう場合もあるのです。休日だからこそ、気分転換に自然の中を散歩したり、軽く体を動かしたりする習慣を取り入れてみましょう。

3. 最も重要な「質の良い睡眠」

三つ目は「睡眠」です。肉体の疲れを回復させる上で、睡眠は最も欠かせない要素です。夜遅くまで起き続けると、ついついお酒を飲みすぎたり、スマートフォンを長時間見て目を酷使したりしがちです。このような習慣が続くと、体はどんどん疲弊していきます。本来、私たち人間の体は夜に休むように設計されていますが、現代社会では夜でも部屋は煌々と明るく、パソコンやスマートフォンの光刺激にさらされ続けています。「自分は夜型だから」と言う人もいますが、人間はもともと夜行性の生き物ではありません。暗闇では活動が困難であることからも、人の体が夜に活動するようにできていないことは明らかです。睡眠で本当に重視すべきなのは、「睡眠時間」の長さでも「朝早く起きる」ことでもありません。最も大切なのは、「何時に寝るか」ということです。多くの人は「○時間眠ろう」「早く起きよう」と努力しますが、実は「早く寝る」ことの方がはるかに重要なのです。

私たちが推奨したいのは、「夜10時に寝る」ことです。これをたった3日間試すだけでも、体調には確実に良い変化が現れるでしょう。早く寝ることで、朝は自然と目が覚めるようになり、無理なく「早寝早起き」の習慣が身につきます。やがて目覚まし時計がなくても、体が自然に最適なリズムを刻むようになるはずです。

心身を真に回復させる休日の過ごし方

「体を休ませる」ためには、食事を控えめにし、日中は太陽の光を浴びながら軽く体を動かし、そして夜10時には眠りにつく。これらを実践するだけでも、体は驚くほどしっかりと休まります。次のお休みには、ぜひこれらの方法を試して、心身が真に回復する感覚を実感していただければ幸いです。

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