元検察官で弁護士の郷原信郎氏(70)が、自身の悪性リンパ腫の病状について、14日にX(旧ツイッター)を更新し詳細を公表しました。以前「悪性リンパ腫の疑い」と診断され、集中治療室(ICU)での治療を経て「最悪の状況」を脱し一般病棟に移ったことを先月報告していましたが、今回はプラットフォーム「the Letter」で「現在の病状について」と題した書面を公開し、今後の見通しや社会活動への意欲を語っています。
病状の詳細と長期にわたる治療の必要性
郷原氏によると、診断された悪性リンパ腫は「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」という比較的一般的な型であるものの、ステージ4であることに加え、予後不良の要因とされるCD5陽性であることが判明したと報告しています。このため、標準的な抗がん剤治療に加えて、さらに強度の抗がん剤治療も併用し、相当な長期間にわたり治療を継続する必要があるとのことです。「一定期間治療に専念すれば元の体に戻る」という単純な病ではないことを強調し、体調にも大きな影響が及ぶことが予想されると述べました。
弁護士・郷原信郎氏、悪性リンパ腫と闘病しながらも社会への発信を続ける姿勢
現在の抗がん剤治療は順調に進んでいるものの、2クール目の投与後も1~2週間は免疫がかなり低下するため、新たな感染症の予防と、現時点での左手の感染症との闘いが中心となっています。また、抗がん剤の副作用による手先の痺れがあることも明かし、キーボード入力が思うようにできない状況であることも告白しました。しかし、指先を使うリハビリを兼ねて、ある程度は自身で入力できるようになったと述べています。
「権力との戦い」を続ける決意と情報発信の継続
郷原氏は、まだ先の見えない闘病が続く中で、「その時々の病状、体調に応じて、可能な範囲で、私自身のこれまでの戦いの延長として、どうしても世の中に言っておきたいことの発信は行っていきたい」と強い意欲を示しました。さらに、「私にとっては『権力との戦い』に関わっていくことが、気力、体力を維持する『薬』でもあると思います」と語り、自身の社会活動が闘病の支えになっていることを示唆しました。
これまでの発信活動としては、事務所スタッフによる口述筆記で作成された「読売新聞等の『石破首相退陣へ』大誤報問題」、「横浜市長選をめぐる問題」、「竹内元県議婦人による立花氏名誉毀損告発の問題」といった記事を、月曜日から「その1」~「その3」に分けてYouTubeで音声メッセージとして配信していることを紹介。短いX投稿やリポストに留まっていた文章投稿も、指の痺れに慣れてきたことで、重要と考える点については体調に影響のない範囲で自身で入力し発信していく方針を示しました。
郷原信郎氏は、東京大学理学部を卒業後、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事などを歴任した経験を持ちます。過去には参院選や大阪府知事選への出馬を打診されたことも報じられるなど、その発言は常に注目を集めてきました。今年5月には文化放送のラジオ番組にも出演しています。
感謝と今後の展望
郷原氏は、今回の入院に関してYouTube、X、ニュースレター等を通じて寄せられた多くのお見舞い、心配、激励のメッセージに対し、心からの感謝を表明しました。「治療に専念して早く元の体に戻って活動してほしい」という声が多く寄せられる中で、今回の病が長期的な治療と影響を伴う複雑なものであることを改めて説明しました。
自身の病状が困難な状況にあることを認識しつつも、郷原氏は「まだまだ先の見えない闘病の中で、その時々の病状、体調に応じて、可能な範囲で、私自身のこれまでの戦いの延長として、どうしても世の中に言っておきたいことの発信は行っていきたいと思います」と、社会に対する発信を続ける強い決意を改めて示しました。今後も様々な形で情報発信を継続していくと締めくくっています。