マクドナルド「ハッピーセット ポケモン」騒動拡大:購入制限強化も批判収まらず、その本質とは?

日本マクドナルドは2023年8月14日、公式ホームページ上で「ハッピーセット『ポケモン』8月15日〜17日までの購入制限について」と題する文書を公開しました。これは、現在実施中のハッピーセット「ポケモン」における人気特典「ポケモンカード」(以下、ポケカ)の配布を巡る一連の騒動に対応するものです。数量限定のポケカが転売の対象となり、それに伴う食料廃棄問題が発生している現状に対し、マクドナルドは新たな購入制限を設けることを発表しましたが、インターネット上では依然として厳しい批判の声が上がっています。

「ポケモンカード」巡る転売・食料廃棄問題の背景

マクドナルドのハッピーセット「ポケモン」は8月8日から展開されています。特に注目を集めたのは、8月9日から11日までの3連休に数量限定で配布されたポケカでした。ハッピーセット1点の購入につきポケカ2枚が手に入るこの企画は、人気が「高騰」しているポケカを狙う「転売ヤー」たちの格好の標的となりました。

その結果、「メルカリ」などの大手フリマサイトでは、ポケカが20万円を超える高額で出品される事態に発展。本当にポケカを手に入れたい子どもたちの元には届かないという問題だけでなく、ポケカ目当てで購入されたハッピーセットの中身である飲食物や玩具が大量に「食料廃棄」されるという深刻な社会問題も同時に浮上しました。

当初、ポケカ配布期間中は1人あたり5セットまでの購入制限が設けられていましたが、今回のマクドナルドの発表では、さらに厳しく「1グループ1会計につき3セットまで」に制限を強化。4セット以上の注文は断る方針が示されました。

ネット上の批判殺到:「本質を見誤っている」の声

このマクドナルドの対応に対し、SNSやネット上では批判の声が殺到しています。多くのユーザーは、今回の問題が単なる「購入制限」の範疇を超えていると指摘。

  • 「ハッピーセットが目的ではなく、カード目的ということがわからないとしたら、マクドナルドはもうお終い」
  • 「そもそも企画をやめるべき。ここまでバッシングを受けながら続けるのは企業利益しか見てない証拠」
  • 「たった3セットに変更したくらいで何になるのか。対応がズレている」
  • 「みんなポケカが欲しいんであって、ポケモンのおもちゃはそんなに欲しくないんですよ。マクドナルドさん、理解できてますか?」

といった声が代表的です。これらの意見は、マクドナルドが問題の「本質」を理解していないという認識を示しています。実際、ポケモンの玩具も転売の対象とはなっていますが、ポケカの高騰ぶりと比較するとその規模は段違いに小さいのが現状です。

マクドナルドのハッピーセットと話題のポケモンカード。転売問題と食料廃棄が社会問題に。マクドナルドのハッピーセットと話題のポケモンカード。転売問題と食料廃棄が社会問題に。

企業姿勢への疑問と「ハッピーセット」本来の意義

全国社会部記者は、今回の事態について「昨今、ポケカは高騰しており、今回のように数量限定配布をすれば、このような事態になることは予測できたはず」と指摘します。「安易にポケカ人気に乗っかろうと利益を求めたようにしか思えません。購入制限の強化という単純な話ではないですし、問題の本質を理解できていないと判断されても仕方ないのかもしれません」と続け、マクドナルドの「企業倫理」と企画の意図に疑問を投げかけています。

ハッピーセットは本来、子どもたちに食事と遊びを通じた喜びを提供し、家族の団らんを促進する目的で提供されてきました。しかし、今回のポケカ配布を巡る一連の騒動は、その本来の目的から大きく逸脱し、企業の「ブランドイメージ」にも悪影響を及ぼしかねません。

結論

マクドナルドがポケカ配布に対する購入制限を強化したことは、転売や食料廃棄といった喫緊の課題への対応策の一環です。しかし、この措置だけでは消費者の不満や社会的な批判を完全に鎮静化させるには至っていません。今回の騒動は、企業が人気のコンテンツとコラボレーションする際に、その「限定配布」が引き起こすであろう「転売問題」や「食料廃棄」といった負の側面に対し、より深い洞察と周到な準備が必要であることを浮き彫りにしました。マクドナルドには、一時的な対策にとどまらず、ハッピーセットの「本来の目的」と「企業の社会的責任」について、根本的な見直しが求められていると言えるでしょう。


参考文献:
Source link