近頃、日本の高校でパーカーを制服に取り入れる学校が増えています。150年以上の歴史を持つ日本の学生服に、一体何が起きているのでしょうか？この記事では、パーカー制服の人気の秘密とその背景、そして明治時代から現代までの学生服の変遷を辿ります。
パーカー制服の魅力とは？生徒たちの声
羽田国際高校では、共学化と同時にパーカー制服を導入しました。生徒たちからは「海外の学校みたいでテンションが上がる」「色やデザインが好き」「制服選びの決め手になった」といった声が聞かれ、好評のようです。
羽田国際高校の生徒たちがパーカー制服を着ている様子
定員割れ寸前の学校も…志願者増加の立役者に？
少子化の影響で定員割れ寸前だった羽田国際高校（旧：蒲田女子高校）は、共学化と同時にパーカー制服を導入。すると志願者数が増加し、男女比も1:1になったとのこと。簡野裕一郎校長は、学校説明会でもパーカー制服への関心が高かったと語っています。
大阪夕陽丘学園高校も、パーカー制服導入後に志願者が急増。2020年には286人だった志願者数が、2021年には444人、2022年には560人にまで増加しました。パーカー制服は、志願者増に貢献する一つの要素と言えるでしょう。
学生服の歴史：明治から令和への変遷
日本の学生服は、1879年（明治12年）に学習院で初めて導入されました。当時の目的は、服装を統一することで経済格差を目立たなくさせることでした。
大正時代には、女学生の増加に伴い、袴よりも動きやすいセーラー服が登場。戦後は化学繊維の普及により、丈夫で耐久性に優れた制服が主流となりました。
1970年代後半には、長ランやボンタン、スケバンスタイルなど、個性的な変形制服が流行。1980年代にはブレザー制服が台頭し、平成時代にはミニスカートやルーズソックス、腰パンスタイルなど、時代の流行を反映した着崩しが見られました。そして令和の今、パーカー制服が新たなトレンドとして注目を集めています。
明治時代の学生服：学習院を皮切りに
学習院で初めて導入された学生服は、近代化を目指す日本の象徴でもありました。当時の学生服は、現在のものとは大きく異なり、和装の影響も残っていました。 ファッション史の専門家である山田先生（仮名）は、「明治時代の学生服は、西洋文化を取り入れながらも、日本の伝統的な要素を残した、まさに過渡期の服装と言えるでしょう」と述べています。
昭和・平成の学生服：多様化と個性化
昭和・平成時代は、学生服の多様化と個性化が進んだ時代でした。不良文化の影響を受けた変形制服や、流行を取り入れた着崩しなど、学生たちは制服を通して自己表現を追求しました。
令和の学生服：パーカー制服が新たな定番に？
そして令和の時代、快適さと機能性を兼ね備えたパーカー制服が新たな定番になりつつあります。パーカー制服は、学生たちの個性を尊重しつつ、学校生活に適した服装として支持を集めているようです。
まとめ：進化を続ける学生服
時代と共に変化してきた学生服。パーカー制服の登場は、学生の多様性を尊重する現代社会の風潮を反映していると言えるでしょう。今後、学生服はどのような進化を遂げるのか、注目が集まります。
