韓国・慶尚北道沖の景勝地として知られる鬱陵島(ウルルンド)で、観光客からの物価高騰や「ぼったくり」に対する不満が噴出しており、地元自治体が事態収拾と信頼回復に向けた釈明に追われています。観光地としての魅力が問われる中、価格設定の適正化が急務となっています。
観光客が直面する高額な飲食費と宿泊費
ユーチューバー、キム・チャンポン氏のYouTubeチャンネルのロゴ。鬱陵島の物価高騰問題を報じる動画の様子を表す。
旅行系ユーチューバーのキム氏が8月2日に投稿した動画「論争になっている鬱陵島に行ってきた」では、家族3人での2泊3日パッケージツアーでの体験が詳細に語られています。初日に訪れた韓国料理店では、地元特産の「オジンオ(イカ)プルコギ」4人前が8万ウォン(約8800円)と高額でした。夕食の中華料理店では、「中サイズの酢豚」が4万ウォン、「ムール貝入りチャンポン」が1万6000ウォンで、ツアー代金とは別に合計12万4000ウォン(約1万3600円)の自己負担が発生しました。
鬱陵島では輸送コストが物価を押し上げるとされていますが、特産のイカの干物でさえ1匹2万ウォン(約2200円)、刺し身の盛り合わせは1人前4万ウォン(約4400円)に達するなど、その価格設定は観光客にとって大きな負担となっています。宿泊費も例外ではなく、プール付きヴィラの利用に追加で7万ウォン(約7700円)が必要となるケースもありました。
住民経営の良心価格と行政の対応
一方、鬱陵島へ外部から移住した住民が経営する焼き肉店では、定食1人前が1万ウォン(約1100円)という安心価格で提供されており、店主が「足りなければおかわりを」と声をかけるなど、対照的なサービスが見られました。
このような物価高騰や「ぼったくり」の指摘を受け、鬱陵郡守(郡の行政長)であるナム・ハングォン氏は、先月別のユーチューバーが脂身の多いサムギョプサルを「告発」し、その店が食品衛生法違反で7日間の営業停止処分を受けたことを受け、公式に謝罪しました。ナム郡守は、観光サービスの質と価格の改善を誓い、観光客の信頼回復に努める姿勢を示しています。
まとめ
鬱陵島の豊かな自然は多くの観光客を魅了しますが、高騰する物価や「ぼったくり」の指摘は、持続可能な観光開発への課題を浮き彫りにしています。地元自治体による観光サービスの改善と価格適正化への取り組みが、今後、観光客の満足度向上と地域の評判回復に繋がるか注目されます。
参考文献
- KOREA WAVE/AFPBB News (2025年8月16日). 韓国・鬱陵島で物価高に不満噴出、観光客「ぼったくり」指摘―自治体釈明に追われる. Yahoo!ニュース.
https://news.yahoo.co.jp/articles/324f930153d3fffa358f82815640642460c71b74