終戦から80年を迎えたこの日、元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏が自身のX(旧ツイッター)を更新し、国会議員の靖国神社参拝や石破茂首相の全国戦没者追悼式における「反省」発言について、独自の視点から見解を述べた。特に、一部の「マッチョな保守派」の矛盾点を鋭く指摘し、日本の歴史認識と政治家の姿勢に対する議論を巻き起こしている。
国会議員の靖国参拝に疑問符:陛下と首相の堂々たる参拝を
橋下氏は、小泉進次郎農水相や高市早苗前経済安保相ら国会議員の靖国神社参拝に対し、その意義に疑問を呈した。彼は「マッチョな姿勢で国会議員たちが行ってもあまり意味なし」と述べ、真に意味のある参拝のためには「陛下と首相が堂々と行ける環境にしなければ。分祠が不可欠」との見解を示した。これは、靖国神社が抱える複雑な歴史的・政治的問題を根本的に解決し、国家の代表者がより公的な立場で参拝できる環境を整えるべきだという提言である。
元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏。靖国参拝や石破首相の「反省」発言について持論を展開。
石破首相「反省」復活と“マッチョ保守”の矛盾
同日に行われた全国戦没者追悼式の首相式辞で、石破茂首相が13年ぶりに「反省」という文言を復活させたことを受け、これを批判する一部の「保守派」に対して、橋下氏は自身の「マッチョ保守」論を展開した。彼は「マッチョな保守派の保守の意味がよく分からない」と切り出し、その矛盾点を次のように指摘した。
「彼ら彼女らはいつも国家を全面に出して、過去との繋がり、それも明治期以後のものを強調するのに、将来の国民との繋がりがすっぽり抜ける。」橋下氏は、国家を全面に出すのであれば、「将来の国民も当然国家との紐帯をなし、反省は続くという結論になりやすいはず」だと主張。しかし、「マッチョ保守派は、反省の部分は過去と将来を断絶させて将来の反省は終了という。」という姿勢に対し、自身の「超個人主義」の立場と比較しながらも、その論理の飛躍を問題視した。
「ファッション保守」論:靖国参拝の真意を問う
さらに橋下氏は、「石破さんを批判する、いわゆる保守派たちこそ、国家が続く限り反省は継続すると言わなあかんのちゃうの?」と問題提起した。彼らは「先人たちの戦いに尊崇の念を持ち続けるために靖國に参拝するという。ところが先人たちの反省は断絶する」という矛盾を抱えていると指摘。
橋下氏は、「靖國に参拝するということは、尊崇の念も反省の念も持ち続けるということちゃうの?」と問いかけ、「マッチョ保守派がファッション保守に見えてしまうところ」と痛烈に批判した。これは、表面的な「保守」の姿勢の裏に、本質的な歴史認識や責任感の欠如があるのではないかという疑念を呈するものである。
政治家の「偽りのマッチョ」と国民犠牲回避の重要性
長年、国会議員を間近で見てきた経験から、橋下氏は「国会議員は超ビビリなのにマッチョを装う者多数」であると述べた。彼は、このような「彼ら彼女らの偽りのマッチョを抑えるためにも、反省の念を抱かせ続けた方が、不条理な国民犠牲を避けることができる確率が高まると思う」と強調した。これは、過去の過ちから学び、未来の世代に同じ悲劇を繰り返させないための政治家の倫理的責任を強く訴えるメッセージである。
石破首相はこの日、追悼式の首相式辞で「進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と明言した。また、千鳥ケ淵戦没者墓苑に献花し、靖国神社には参拝せず、「自民党総裁」として玉串料を私費で奉納するなど、バランスの取れた対応を示した。
まとめ
橋下徹氏の一連の発言は、終戦80年という節目の年に、日本の歴史認識、政治家の靖国参拝、そして「反省」という言葉の重みについて、国民に深く考えるきっかけを与えている。特に、「マッチョ保守」という概念を通じて、見せかけの強さと現実の矛盾を鋭く指摘し、真に国民の未来を慮る政治のあり方を問い直していると言えるだろう。
出典
よろず~ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca1ca5ac036cba785642a179f1931414248d72e8