トランプ氏、ウクライナ戦争終結とクリミア・NATO加盟に関する強硬な見解を表明

米国前大統領ドナルド・トランプ氏は17日夜、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を通じて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシアとの戦争を「ほぼ即座に」終結させる選択肢を持つと同時に、クリミアの奪還やNATOへの加盟は現実的な選択肢ではないとの見解を示し、国際社会に大きな波紋を広げています。この発言は、ゼレンスキー氏と欧州首脳のホワイトハウス会談を翌日に控えたタイミングでなされ、今後のウクライナ情勢の行方に影響を与える可能性を指摘されています。

トランプ氏の衝撃発言の背景

トランプ氏は投稿の中で、「ウクライナのゼレンスキー大統領は、望めばロシアとの戦争をほぼ即座に終わらせることもできるし、戦い続けることもできる」と述べ、ウクライナ側に戦争終結の主導権があるとの認識を強調しました。これは、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中で、米国内の孤立主義的傾向や、戦費負担への懸念が高まる状況を反映していると見られます。彼の発言は、ゼレンスキー氏が米国訪問を前に、国際社会からの支援をさらに得ることを目指す中で出されたものであり、その意図が注目されています。

米国前大統領ドナルド・トランプ氏の国際情勢に関する記者会見の様子米国前大統領ドナルド・トランプ氏の国際情勢に関する記者会見の様子

クリミアとNATO、トランプ氏の揺るがぬ主張

さらにトランプ氏は、ウクライナにとって極めて重要視される領土問題と安全保障の側面について、自身の強硬な立場を明確にしました。彼は「クリミアを取り戻すことはできない(12年前にオバマ政権下で、一発の銃声もなくロシアに渡った!)」と指摘し、ロシアがすでに実効支配しているクリミア半島の現状を追認するような姿勢を見せました。また、ウクライナが「NATOに加盟することもない。変わらないこともある!!!」と付け加え、北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナの加盟についても否定的な見解を示しました。これらの発言は、ウクライナの主権と領土の一体性を巡る国際的な議論に新たな論点を提起するものです。

結論

ドナルド・トランプ前大統領の一連の発言は、ウクライナ戦争の終結条件と、それに伴う国際秩序のあり方について、米国における異なるアプローチが存在することを示唆しています。クリミアとNATOを巡る彼の主張は、現在の米欧のウクライナ支援路線とは一線を画すものであり、今後の米露関係、米ウクライナ関係、そして国際社会における平和交渉の行方に、複雑な影響を及ぼす可能性があります。日本を含む国際社会は、これらの動向を注視し、不安定な世界情勢への対応を迫られることになるでしょう。

出典: https://news.yahoo.co.jp/articles/d186dd4e325517080ac12eca4dd94b991193f23c