俳優の堤真一(61)が19日、フジテレビの情報番組「ぽかぽか」(月~金曜午前11時50分)に生出演し、自身のキャリアで特に印象に残っている出演ドラマについて深く語った。数々の人気作に出演してきた堤が選んだのは、女優・深津絵里が主演を務めた2002年のドラマ「恋ノチカラ」だった。
過去の出演作と「恋ノチカラ」の選定
堤真一は、1996年放送の「ピュア」や2000年放送の「やまとなでしこ」など、フジテレビの数々の話題作で重要な役柄を演じてきた。その中でも特に記憶に残る作品として、「やまとなでしこ」の後に手がけた「恋ノチカラ」を挙げた。同作は深津絵里が主演を務め、坂口憲二も共演した人気ドラマである。
深津絵里が示した「プロ意識」の真髄
堤が「恋ノチカラ」を印象深い作品として選んだ理由について、「全体的に」と前置きしつつ、特に深津絵里の仕事への向き合い方を強調した。「深津さんが結構、脚本通りにもちろんやるんだけど、ちょっとしたセリフとか、これはあれだねっていう、物凄いみんなで話し合ってやってたりしたんで」と振り返り、主演俳優の主体的な姿勢が作品作りに大きく貢献したと語った。
連続ドラマ特有の時間的制約がある中で、「その前にきっちり話をして、っていうことができた」と、丁寧な制作過程があったことを明かした。さらに、深津絵里が役柄のリアリティを追求し、衣装選びにも徹底的なこだわりを見せたエピソードを披露。「まあ普通だったら凄く奇麗な衣装を着たがるけど、ここは、このシーンは絶対、むしろダサい方が、30代の女の人が着る物がいいんじゃないって、元々用意された奇麗な衣装じゃない衣装を着たりとか」と証言した。
堤真一がテレビ番組「ぽかぽか」で過去のドラマ出演について語る様子
堤は深津絵里のこうした姿勢を「本当にプロ意識の強い人だった」と絶賛し、「そういう人とやるとやっぱ楽しいっすよね」と、共に作品を創造する喜びをかみしめるように語った。
視聴者の共感とリアリティへのこだわり
当時「恋ノチカラ」を視聴していた共演者からは、深津絵里の衣装へのこだわりが「リアルだった」と共感の声が上がった。これに対し堤は、「そう。だからその当時は何でもブランドを身につけて、それがまた売れるとか、一般的に売れるとかっていうんだけど、そんな感じのもんじゃない物ばかり着てましたね」と懐かしそうに語り、一過性の流行に流されず、役柄の本質を追求した深津のプロ意識がいかに際立っていたかを改めて示した。このリアリティへの徹底した追求こそが、多くの視聴者の心に残る作品を生み出した一因と言えるだろう。
結論
堤真一が語った「恋ノチカラ」での深津絵里との共演エピソードは、単なるドラマ制作の裏話に留まらない。脚本への深い考察、そして役柄のリアリティを追求するための衣装への徹底したこだわりは、深津絵里の俳優としての揺るぎない「プロ意識」の表れであった。この妥協なき姿勢が、作品に深みを与え、共演者である堤真一にも大きな感銘を与え、結果として視聴者の記憶に残る名作へと昇華させたことがうかがえる。