元ヴィジュアル系バンド「ν[NEU]」ヒィロ、成功の裏にあった「度重なる解雇宣告」と解散の真実

かつて人気を博したヴィジュアル系バンド「ν[NEU]」のベーシストとして活躍し、オリコン週間チャートで上位に食い込むほどのセールスを記録しながらも、「もう音楽を伝える資格がない」とまで涙したヒィロ氏(42歳)。現在はエステティシャンに転身し、美容のプロとして新たなセカンドキャリアを築いている彼が、当時のバンド活動引退の背景と、華やかな世界で直面した厳しい現実について語りました。

メジャーデビューがもたらした「シビアな現実」とプレッシャー

メジャーデビューというバンドにとっての大きな目標を達成したにもかかわらず、ヒィロ氏が「苦しかった」と振り返るその理由は、プロジェクト規模の拡大に伴うプレッシャーと、自身の力量不足への認識でした。デビュー曲は人気番組のタイアップを獲得し、成功への期待が高まる一方、メジャー移籍によってインディーズ時代からのファンが離れていくという、ヴィジュアル系バンドに特有の傾向に直面します。

調子に乗っていたと語るヒィロ氏は、この変化に気づかず、メジャーデビュー後初のワンマンライブでは客席が思ったほど埋まらないという現実に直面。必死の努力で2回目のライブでは集客に成功したものの、終演後にまさかの「クビ」を言い渡されるというシビアな経験をしました。

エステティシャンとして活躍する元ヴィジュアル系バンド「ν[NEU]」のベーシスト、ヒィロ氏。音楽活動引退から転身後の新たなキャリアを語る。エステティシャンとして活躍する元ヴィジュアル系バンド「ν[NEU]」のベーシスト、ヒィロ氏。音楽活動引退から転身後の新たなキャリアを語る。

度重なる「解雇宣告」とメンバー関係の悪化

一度目の「解雇宣告」後も、お世話になっていたプロデューサーの尽力により、ヒィロ氏は別のレコード会社と契約する機会を得ます。今度こそ売り上げを伸ばすべく、CDを5タイプ制作し、撮影会など多数のイベントを開催するなどの懸命な努力が実を結び、オリコン週間チャートで6位という成果を達成しました。しかし、この結果もレコード会社の期待には届かなかったようで、再び「クビ」を宣告されます。

このような度重なる厳しい現実と、期待に応えられない状況が、メンバー間の関係悪化の大きな原因となったとヒィロ氏は明かしました。かつては共に過ごすことが楽しかったメンバーとの時間が、顔を合わせるのも苦痛になるほどに。今振り返れば、もっと歩み寄るべきだったと感じるものの、当時は精神的に限界だったと語っています。

音楽業界の厳しさと新たな道への転換

メジャーデビュー後の成功と挫折、そして度重なる「解雇宣告」は、人気ヴィジュアル系バンドのベーシストとして輝いたヒィロ氏の音楽キャリアに大きな転機をもたらしました。結果が出ないことによるプレッシャーとメンバー間の軋轢は、彼に音楽活動の限界を感じさせ、最終的に引退を決断するに至ります。この経験は、エンターテインメント業界の華やかさの裏に潜む厳しさ、そして個人のメンタルヘルスへの影響を浮き彫りにするものであり、多くの人々に共感を呼ぶでしょう。ヒィロ氏のセカンドキャリアへの転身は、逆境を乗り越え、新たな価値を見出す人間の強さを示す事例と言えます。

参考文献